Wednesday, August 31, 2011

ことばあそびとRとLの矯正(英語)

最近、エリックはことばあそびがお気に入り。特に韻を踏んでいる単語を続けて言ってはひとりでキャハハハと喜んでいる。
Sunny bunny is funnyとかDaddy missed cabbyとかMommy’s tummy is grumpyとか 、何がそうなのかわからないが、どうも楽しいらしい…。

一方、夫にときどきRとLの発音を矯正されているエリック。たとえば、Peterというのが「ピーター」と日本語のように聞こえると、夫が「R」を何度もやらせて直している。Turn right at the lightとかLion roars as he is runningとか、夫が適当な文章を作って何度も繰り返す。数回やると何とか巻き舌のRができるが、普段は巻き舌Rができていないらしい。イギリスではよいけれど、北米ではしっかり巻き舌Rをしなくては。ただ、夫はあまり気にしていないようで、気がついたら直すけれど、「そのうちできるようになるから」と私ほど気にしていない。

しかし、これは明らかに私の英語発音の影響である。私もRとLを意識的にできないわけではないけれど、日常的にとりわけ夫と話すときには発音など気にもせず適当な発音になっている。今後、英語を話すときにはエリックのためにも注意しなくては…。

Monday, August 29, 2011

家庭と学校での使用言語が違う場合のバイリンガル育児

何度も登場してもらっているサニー(現在3歳7ヶ月)は、家ではマンダリン(標準中国語)を使っている。2歳半でデイケアに初めてきたときは英語をひとことも話さなかった。しかし、一年たった今、サニーはデイケアでは英語を話し、家族とはマンダリンを話す完全なバイリンガルへと成長している。サニーの英語は、少しスローで1センテンス話すのに時間がかかる。しかし、発音はほぼ完璧(RとLが少し混合している。Hの音が少し強い)で、言い回しも英語の自然な表現が使える。

周囲を見ると、サニーのように家庭の使用言語と学校の使用言語が別の場合が、もっともバイリンガルのレベルが高いように思われる。もう少し詳しく言えば、家庭の使用言語が100%非主要言語である場合に、ということであって、我が家のように70%英語、30%日本語という場合(つまり、母親と父親の言語が違う場合)はいささかレベルが低いように思われる(断っておくが、これは私の観察に基づいた印象であって、学術的なデータをもとにしているわけではない)。

我が家のような家庭の使用言語が2言語である場合、ある程度までは自然に2言語を習得するだろうと思う。「ある程度」というのは、日常会話に差し支えない程度で、読んだり書いたり、さらに高度な文章を読んだり書いたりするレベルではない。そうなるためには、外部(学校)の使用言語ではない言語を教える親(我が家では私!)の相当な努力が要求されるというのが、今のところ私の感じである。

エリックに比べると、サニーはバランスよくバイリンガルで育っていると思う。切り替えも自由自在だし、今は英語の語彙の方が少ないけれど、これからどんどん英語もマンダリンと同じレベルにまで増えていくだろう。そして、その後、どうなっていくのだろうか? 

エリックの場合、英語が第一言語になっていて、日本語は語彙に関しても洗練された構文という意味でもかなり劣っている。たとえば、今、ポンと日本語100%環境に入れるとこっちの方がどんどん追いついていくのだろうという気がする。とにかく、エリックや周りの子を見ていると、3、4歳の子どもの言語習得能力は驚異的だ。

何よりも、私たちバイリンガル育児をしている親が最も望んでいるのは、2言語に関して同等レベルで発達し、どちらの言語でも同じ学齢期の子どもの標準はクリアしているレベルで習得してくれることではなかろうか。私にとっては、英語は、英語を母国語とするお友達と同じレベル、さらに日本語も英語と同等のレベル、ということだろう。私の場合、バイリンガルとはいえ、やはり母国語である日本語の方がレベルが高く、このギャップというのは本人にしか気付かないけれど、些細なところで明白に表れてきて、不便だと案じることがよくある。

というわけで、バランスのとれたバイリンガル。
これが今のところ、私のバイリンガル育児の目標である。
(目標は高く!)

Wednesday, August 24, 2011

虫びいき

昨夜も、いつものように寝る前の「おはなし」をしたのだが、大変なことになってしまった。
「Grasshopperのはなし」という「お題」を出されたので(いつもタイトルを出されて私が適当な話を作って話してあげることになっている)、私は適当にバッタの話をしていたのだが、きっとJack Layton/ジャック・レイトンが亡くなった記事を1日中読んでいたからだろう、最後にバッタが死ぬ話になってしまった。

「…というわけで、バッタは死んでしまいました」
と言うと、エリックの表情がさっと変わって、
「なんで? なんでバッタが死ぬの?」
と聞いてきた。私が「これはマズイことを言ってしまった!」と気付いたときには、エリックは声を押し殺すようにして泣き始めた。私のなかでは、バッタは死んでも、バッタが一生みんなのために働いた功績はみんないつまでも忘れない、というのがモラルのはずだったのだけれど…。

What happened?
夫がやってきて、私の説明を聞いてこう言った。
He cried over a dead bug just this morning!
そういえば、そうだった。今朝、窓際に小さな虫(ほんとに小さいの)が死んでいたのを見付けて、エリックは泣いたのだった。「みんな自然に帰るのよ」とか何とか言って、なんとかなぐさめたものの、そのあとで私が「ばあばなんて、おっきなゴキブリでも何でもスリッパで叩いてぴしゃりと殺すからね」と言うと、またまた泣き声になって「なんで~? なんでばあばは何でも殺すの~?」と号泣しながら言うのだった。 

というわけで、私はとっさに「あ、そうそう、このバッタのお話には続きがあるのよ!」と、イースターの日にバッタが生き返る話をしたのだけれど(夫からはさんざん言われたわよ。「キリストじゃあるまいし!」)、やっぱり「死んでしまいました」のショックは大きかったらしい…。

ただ、おかしいのは、先日、どういう脈絡かは忘れたが、「最終的にはみんな死ぬ」という話になって、「マミイも?」と言うので、「そうよ、マミイもいずれは死ぬのよ」と言うと、こうあっけらかんとして言ったものだ。
Then, I will play with Daddy, so that’s OK.

人間ならいいけど、虫だとどうもいけないらしい…。

Tuesday, August 23, 2011

Imagine…, Suppose…,


ふと気付いたが、最近、よく話をしているときに(英語)言う言葉がimagineというのとsuppose。
たとえば、こんなとき。
私: 猫を家で飼っていると、トイレを用意してあげないとだめでしょ。あ、用意ってどういうことか分かる?
E:Yes, I Know it. Suppose I need to go to school and Mommy help me to get dressed…
という感じで使う。たぶん、「こういうとき」とか「こんなとき」と言いたいのだろう。私の感じでは、Ifという構文をつくるかわりにこれらの単語を使っているような気がする。

エリックはIf構文をときどき作っているが、文法的に正しい時制を使うのが難しいらしく、ときどき間違っている。最近、よくIf構文か、Suppose, Imagineを使っている背景には、論理力の発達という事実があるようにも思う。起こっていないことを話すには想像力と論理力が必要だからだ。 エリックがよく使うお気に入りの言葉を観察していると、言語発達が、思考力と結びついているということを実に頻繁に感じさせられる。

お友達と「しつけ」

昨日はエリックのデイケア友達サニーの一家と私、エリックとで一緒にビーチに遊びに行った。
しばらくは、水の中に入って石を拾ったり、凧揚げしたりして楽しくやっていたのだが、サニーのお父さんがLet Eric fly the kite(エリックにも凧揚げを貸してあげよう)と言ったら、またまたサニーが泣き始めるという事件が…。

エリックはサニーが泣くと耳をふさいで、すぐさまひとり水辺に行ってスコップを使って遊び始めた。サニーのお母さんが「ほら、お友達とシェアしないとだめじゃない」と言うと、怒ってお母さんに向かって砂を投げた。前のこともあるし、私も余計なおせっかいをしないように少し見ていたのだが、サニーはお母さんに向かってI don’t like you, you are not my friendと言ったり(エリックも同じことを言うのだ、絶対にお友達同士でも言っているに違いない)、お母さんもやられっぱなし、お父さんも少し離れたところでなす術もなくサニーを見ている。私はどうにもこうにも我慢ならなくなってサニーのところに行ってしまった。そして、私が来るとサニーは私に向かって砂を投げた。私はそれがエリックだったら同じようにしたであろう対応をして、サニーにNo throwing! を繰り返した。結局、最後はサニーのお母さんが「スナックを食べましょう」と話を逸らしながら、なだめる形で一件落着となった。彼女のこのやり方に疑問を感じたけれど、今回は何も言わなかった。エリックのところに言くと、エリックもエリックで怒っていて”I don't like when Sunny gets upset and doesn’t share a toy with me”と口をとがらせて言っていた。

子どもたちが遊んでいるのを見ながら、サニーのお母さんは私に「最近、本当に手がつけられなくなって困ってる」という話をし始めた。しばらくして、彼女が”I am glad that you could tell him what he should not do”と言ったところで、私は「それを教えるべきは、いちばんサニーに対して影響力の強いあなたのはずでしょう!」と思わず言った。「でも、私の言うことは聞かないのよ。すぐにおじいちゃんのところに逃げていくから」とお母さんは言うのだが、私は”Just keep telling!”と言って何だか悲しくなってしまった。

そのあと、しばらく前と同じような話をしたが、私が理解した状況は、多くの時間をおじいちゃんと過ごしているサニーにとってはフルタイムで働いている母親や父親より、おじいちゃんの方が影響力が強いらしい。おじいちゃんは以前、私も偶然居合わせた事件にあったように、サニーの行動に対してDiscipline(しつけを)するという感じではない。彼女も自分の父親に対する敬意も感謝の気持ちもあるから、強くは言えない。というところで板ばさみになっているらしい。
「だから、外部者であり、父が信頼を置いているあなたがサニーを叱ってくれると、父もやり方を変えてくれる。実際、噛まれた後、父はサニーに向かってNOと言うようになって、私も驚いたのよ」

たしかに、私たち家族の場合、まわりにエリックの面倒を見てくれる人がいない分、育て方に対する意見の違いという問題は生じない(もちろん、私と夫との間でも育児方針を共有している)。そして、我が家ではおそらくカナダでメインストリームの子育てを実践していると思う。しかし、世代の違いはもちろんのこと、国を越えた子育てには、サニー一家が抱える、こうした問題があるのだと思い至った。

私たちの住む大学の家族向けアパートには、こうして2世代で暮らす非カナダ人家庭が非常に多く、それぞれに同じような問題に直面しているのかもしれない。核家族には核家族特有の問題があるが、2世帯家庭にも特有の問題があるのだと実感した。

サニーのお母さんは私にDiscipline(しつけを)して欲しいと言った。ダメなことをしていたら、エリックにするようにサニーにも叱って欲しいと言った。でも、どこまで私が言うべきなのだろう、という点に関しては私はよく分からない。私はお節介なところがあるし、教師だった経験もあるし、相手が誰でもダメなことはダメと言うけれど、自重しなくてはならないことも確かだと思う。このあたりの線引きは非常に難しい。

女の子の友達と遊ばなくなった

最近、よく言うのが「Sunny is my best friend」。半年ほど年下のサニーがエリックにはいちばんの友達らしい。考えてみるに、ほんの4ヶ月ほど前は、エリックがいつも親しく遊んでいた友達はみんな女の子だった。女の子と一緒に積み木をしたり、本を見ていたが、それがここ数ヶ月のあいだ、大きく変わって、今はデイケアで女の子と遊ぶことはなくなったらしい。

「あれ、最近はLowenとかJuneyaとは一緒に遊ばないの?」
と聞くと、
“No, they are not my friends”
と言う。遊び方も、走ったりジャンプしたり、とにかく動くことも多くなっている。

それと同時に、自分が男の子であることを意識したような発言も聞かれるようになった。
“エリちゃんは男の子でしょ。マミーは女の子でしょ。どうして?”
“When I grow up, I will have ひげ like Daddy, right?”
以前、私のペディキュアを見て真似したがったり、「好きな色は?」と聞かれると「ピンク!」と答えていたエリックだが、その話を私が年上の女の子に話して笑われたことから、
“マミー、それ言っちゃだめだよ”
と言うようになっている。ちょっとずつ、自分や他人に対する意識が変わっているようで見ていて興味深い。

Monday, August 15, 2011

主要言語は英語。だけど、日本語での会話が少しずつ増えてきた(4歳2ヶ月)

久しぶりに、エリックの言語習得に関する報告書を書いてみよう。しばらくの間、何も変わっていないのだからアップデートすることもないと思っていたが、最近は少しだけだが変化が感じられる。

うれしいことに、最近、エリックの日本語が増えてきている! 単語が増えているというのではなくて、文章が増えているのが尚のことうれしい。

たとえば、
「これはエリックが描いた絵だね」
「今日は雨が降りそうだね」
「食べたら、お散歩に行きたいな」
「このナイフはあぶないから、あっちにしまって」
とか、短い文章を思い出したように使ってみることがある。そして、この程度の文章なら文法的な間違いもなく、きちんと言えていることにも気付いた。それで思い出すのが、エリックが英語を話し始めたときのこと。なかなか文章が出てこなかったエリックだが、出てきた文章は間違いがほとんどなく、きっと自分のなかで自信がつくまで言葉として発音しなかったんだろうと思われた。そして、
「上手に日本語で言えたじゃない!」
と言うと、とってもうれしそうにしている。

また、引き続きコード・ミクシングが多く見られるが、以前は英語の文章のなかに日本語の単語(おもに名詞)が入っている文章が多かったが、最近は文章ごとにミクシングしている例が増えていることに気付いた。

たとえば以前は
「I got this because you likeお花」
だったが、最近は
「You have to give me a ticket. そしたら行ってもいいよ」
という感じになっている。また、英語で言ったことを直後に日本語にする例も増えている(「I can see the rainbow there. にじが見えるよ」)。

●私の反省点
さて、私の側では、いろいろと反省することが出てきている。ひとつは、私がたまに面倒になって英語で言うことがある点。最近、エリックの「なんで?」に拍車がかかっている。「なんで船は沈まないの?」とか「なんで雷が鳴っているの?」とか自然科学系の質問から、「正確に、って何?」というような言葉の意味を問う質問までいろいろなのだが、言葉の質問に対して、とりわけ抽象的な言葉の質問に対して、私はたまに
「英語ではAccurateって言うでしょ」
と言ってしまって「しまった!」と思うことが、ここ数週間のうち何度かあった。以前は、「日本語の言葉の意味は日本語で教える」と決めて、それを守っていたのに、エリックの語彙が簡単に説明のつく名詞から徐々に広がっていくにつれ、同時にエリックの英語の語彙が私が驚くほど増えていくにつれ、私も英語を使ってしまうことが出てきている。もちろん、私にとってはそっちの方が楽だし、エリックにとっても楽には違いない。ただ、そうするとこの言葉をどういう文脈で使うか、といった感覚が磨かれないのではないかと思われる。

もうひとつ反省すべき点は、日本語を話すとき、「これはエリックには難しいだろう」と思って教えなかったり、省略したりすることがある点。いわゆるセンサーシップなのだろうけれど、これがもう考える暇もなく私の癖になってきている点に気付いて驚いた。でも、こんなことをしていてはエリックの日本語の語彙が増えるわけもなく、いつまでたってもかなりLow lebelな会話しか成り立たない。なので、私も猛反省して、この点は気をつけようと思っている。

●発音について
以前から「さしすせそ」が、「シャ・シ・シュ・シェ・ショ」に聞こえていた。もっと細かく言えば、「シ」はSHIではなくてSiに聞こえていた。それが、少しずつよくなってきている。それと同時に、日本語の発音も日本語ネイティブに近くなってきている。今、一番大変そうなのは、友達の名前。今でも、エリックは友達のSasha(サシャ)のことを「シャシャ」と呼んでいるが、この名前はエリックには本当に難しいらしい。

それから、私が「ガス」と日本語で言うと、「ガスじゃないよ、Gas(ギャス)だよ」とか、「クロワッサン」と日本語で言うと、それを笑って「クロソーン」と言い直す。

ついでに、英語の発音についても一言。夫にはエリックのRとLの発音が気になっていた(Peterが日本語の「ピーター」)。私はHurt(It hurt me)がHortに聞こえていた。RとLは私の影響だろうと思うが、夫は今までこれを矯正しようと直してきた結果、「だいぶよくなってきた」(夫いわく)。Hurtに関しては、夫いわく「Britishアクセントみたいに聞こえるが、間違いではないので大丈夫」らしい。

●英語のリズム、韻
以前、デイケアでサニーに向かって「Sunny, bunny」とか「Sunny, funny」と言っている子どもたちがいた。最初は「ひょっとして、いじめかも」と思ったが、これはきっと子どもたちが韻を踏む楽しさを見つけ出した表現なのだと思う。エリックも最近は、「Bunny’s tummy is funny」と言って喜んだり、「Peter, piper」を繰り返したり、韻を踏む言葉を自分で探している。そして、Mother Gooseを繰り返したり、夫にせがんで読んでもらって、自分も繰り返し言っている。

私が夫やエリックと違って英語は第二言語なのだと感じるのはこんなところで、こういうのが自然に出てくるのはやはり英語が第一言語だからだろう。小さいときからMother GooseやNursary Rymesを聞いて育っていると、詩的表現は自然に出てくるのだと思う。二言語を同時に習得しているエリックにとって、理論的には第一言語は英語と日本語だけれど、断然進度が速いのは英語に違いない。

最近の様子(4歳2ヶ月)

日本語が徐々に増えてきている! 私との会話のなかで、日本語を突然使うことがある。絵本のなかの「~だぞう」がとっても可笑しいらしい。フランス語や中国語を話すお友達がいるので、ときどき彼らから聞いた言葉を私に教えてくれることもあって、さすがトロントだなあ、と思うことがある。

・主要言語は引き続き英語
・私とエリックの会話は私(日本語)エリック(英語+少しの日本語)で、私の言う日本語はほとんどすべて理解している(私と話すときは英語80%、日本語20%くらいかな…)
・通りを歩いていて、どこからか日本語の会話が聞こえると、興奮して「マミイ! Japaneseだよ!」と私の手をブンブン振る
・日本語で話している環境に置くと、日本語の使用頻度が増える
・日本語の発音がたまに日本語ネイティブらしくない
・コードミクシングが頻繁に見られる。英語で言ったことを日本語で言い直すケース、英語の文章のなかに日本語の単語を使うケースが多い(「そうだよ、I told you so.」、「You can do it あとでね」)
・日本語の語彙が少ないのが気になる
・英語は過去形、単数・複数形、代名詞、所有名詞などをおよそ正しく使っているが、最近、よく使っていて(練習している?)、まだまだ間違いが見られるのは、比較級の使い方。Mommy is more big than meとかThis one is more good than yoursとか。夫はその度にそっと訂正している。
・抽象的な単語(見えないもの)が徐々に増えている(英語)
・分からない言葉が出てくると「Maneuverってなに?」とすかさず聞く
・声のボリューム調整ができなくて、公共の場でかなり大声で話したりする
・よくしゃべる。自分のやっていることをナレーションしたり、ぬいぐるみに話しかけていることもある
・本をひとりでじいっと見ている時間が増えた
・「木」という漢字を書いた!
・CやLが反対になっている(書くとき)
・「さしすせそ」がきれいに言えるようになった
・数字を読む。6と9をまだまちがえている
・1から12まで数える(英語、日本語)けれど、その後はあやふや
・落ちているコインを探すのが好き。1日に1枚はどこかで見つけてくる
・いまだに絵らしい絵を描かない、というか形のないものばかり書いているが、きれいな配色で色を塗る
・歩くのが好き。4キロのハイキングもへっちゃら
・水泳レッスンは現在お休み。お友達と水で遊ぶのが好き

Friday, August 12, 2011

「しつけについて」後日談

先日、サニーがおじいちゃんの腕をガブリとやったこと、それを私が叱ったこと、後で反省したこと、この一件をサニーのお母さんに話したこと、彼女が私に話してくれた葛藤…、などについて書いたが、この件に関して新しい展開があった。

サニーはおじいちゃんに”Sorry for biting”と言ったらしい!

今日、サニーのおじいちゃんが教えてくれた(最近、おじいちゃんの英語はどんどん上達している。2年前は片言だったのに、ここ数ヶ月の間、コミュニケーションが楽になってきた! すごいぞ、おじいちゃん!)。

私はサニーにこう言って、サニーをハグした。
I am SO HAPPY that you could say sorry to your grandpa! Everyone makes mistake, and that's OK. When we think it was not a good thing to do, we say sorry and we won’t do it again!
そして、この言葉をちゃんとエリックも聞いているように仕向けた。

サニーのおじいちゃんはどういう経緯でサニーがSorryと言ったのかは教えてくれなかった。でも、サニーが私に会ってうれしそうな顔をしていたこと、私にI did it!と誇らしく言ったこと、などから、これはきっとポジティブなハッピー・エンディングだったのだと感じた。

エリックにとっても、これはとってもいいLearning opportunityだったと思う。私たちは家族で、この件を話し合って、エリックも会話にしっかり入れて彼の意見にも耳を傾けた。ときに、ひとりに教えるより、ふたり、あるいは複数に教える方が効果的ということがあるけれど、今回の事件はその好例だったと思うわね…。

Wednesday, August 10, 2011

Writingに関して

今日は「書くこと」について書いてみよう。

目下、夫はいっしょうけんめい漢字の勉強をしている(その勉強の仕方というのが、私たちが日本でやるのとは違って非常に興味深いのだけれど、本題から外れるからこの話はやめておこう…)。エリックのお絵かき用イーゼルの黒板を使ってときどき練習しているのだが、エリックはそれを見ながら、同じように書いてみることがある。



そして、先日、はじめて「木」を書いた。
これがエリックにとって初めて書く漢字。

「なかなか上手!」
「すごいわねえ!」

夫と私にほめられて、いい気分になったのか、昨日、デイケアにエリックを迎えに行った夫は、エリックがお絵かきの時間に「木」という漢字を書いてみんなに見せてあげたことをコニー(ECE)から聞いたと教えてくれた。漢字なんてみんな見たことがないので、コニーをはじめ「ワオ!」といった感じで周りが喜ぶものだから、エリックも気分がいいらしい。

昨夜も夫からしっかり漢字を習っていた(といっても、一と二だけれどね)。

ちなみに、私は日本語の「あいうえお」の書き方をまだ教えていない。
一方で、アルファベットはどうかというと、夫が少しずつ教えているようだが、これが難航している様子。自分の名前は書けるのだが、ときにCの向きが違っていたり、それぞれの文字の大きさが違っていたり、スペーシングがうまくいっていなかったりしている。文字は、A, C, E, H, L, O, P, R, T, Uくらいが言えば書けるだけ。私にはなぜIが書けないのか、なぜOができてQができないのか不思議なのだが、まだまだ時間がかかりそうだ。

一方では、「これ日本語」といって、まるでアラビックのような文字を書いてみたり、明らかに意味のある文字というよりは、文字を形象としてみている様子。

まわりの子たちはJKになると文字が読めたり書けたりする。すごいなあ、と思いつつ、私も文字を教えるべきなのか、と思うだけで今のところ何もしていない。モントリオール(ケベック州)生まれの夫は、小学校に入る前からモントリオールでは当然のように本が読めたらしいが、オンタリオ州に引っ越してきて小学校入学時点で文字が読めたのは彼と、モントリオールから同じように引っ越してきた女の子だけだったという(ちなみに、ケベック州がフランス語のみを公用語とすると決めて-Official French Language Act-、義父が働いていたRoyal Bankはすべて拠点をトロントに移したらしい)。それから後、Elementary SchoolではこのふたりがいつもTop Studentsだったという。夫いわく、「明らかに読み書きに関してみんなより進んでいたことは、僕に自信を与えてくれたと思う」。

また、エリックと同じデイケアに通う女の子、マイラのお母さんは「早くから文字を教えておくべきよ。そうすると、子どものSelf Confidenceにとってもいいのよ」と言っていた。思うに、文字を読めたり書けたりするのは、時期がくれば問題なくできるはず。でも、文字を読めるか、読めないか、ではなくて、それが子どもの自信につながっていくことが問題なのであって(小学校入学時点で、自分だけが文字が読めないと知った子どもは自信を喪失する可能性がある、ということ)、だからこそ文字を教える母親がたくさんいるのかもしれない。

見るところ、エリックはまだ文字を書けるようになる時期には来ていない、と思う。というか、文字を書きたい、読みたい、という気持ちは強くはない。トイレ・トレーニングといっしょで、時期さえあえば簡単にできるのなら、それを待った方が楽、というのも私のなかにはあるんけれど、一体、いつごろ文字を教えるべきなんだろう??

Monday, August 8, 2011

「しつけ」をめぐって

数日前のこと、エリックとお友達のサニー、サニーのおじいちゃん(モンゴル出身)と私で一緒に散歩に行った。途中、サニーは突然(のように私には見えた)、泣き出して、大声でわめいていた。サニーのおじいちゃんはいっしょうけんめいなだめていたが、ふと見ると、サニーはおじいちゃんの腕をガブリと噛んでいた。私はとっさに駆け寄って、サニーの目の前で、
Sunny, no biting. Biting is not good. We never bite people!
と言った。サニーは、
I am angry. I am very angry.
と大きな声で言って私をにらんでいた。
Sunny, it is OK to be angry and it is good that you identified your feeling. Still, biting is not good.
私はそこで繰り返し「噛んではいけない」ことを伝え、サニーが怒っている原因を知ろうとしたが、結局、彼にもなぜ怒っているのかよくわからないのだと感じた(エリックもそういうことがある)。
Sorryと言ってほしかったが、それも言えず。おじいちゃんの腕にはくっきりと歯型がついて赤く腫れ上がっていた。相当強く噛んだように見えた。しかし、気になるのは、私にはサニーのおじいちゃんはサニーが噛むのにまかせていたように見えたこと。そして、そのあとは、サニーに対しても私に対しても何もなかったように振舞っていたこと。

私は今も学校で教えていたときの経験が染み付いていて、知らない子どもでもMisbehavingしているとお節介にもちょっと言葉をかけてしまう。サニーの場合も、私はエリックがしたらするであろうという対応をしてしまった。でも、後から考えると、サニーのうちには彼らのしつけの仕方があるのだろうし、私がしゃしゃり出てしまったことで、サニーのおじいちゃんの感情を害していないかちょっぴり気になった。ただ、サニーはそのあと、私の手を取って一緒に遊ぼうとしたり、私に何か見せてくれたりしていたので、子どもは何とも思っていないのだと思い、それだけは安心だった。

帰ってきて、もちろんサニーの母親に電話をして、事の顛末を話した。彼女は、おじいちゃん(彼女のお父さん)から何も聞いていなかったようで驚いたが、I really appreciate what you have done. I would have done the same if I were presentと言って、こんな話を始めた。

彼女は父親とはちょっぴりサニーのしつけの仕方に関して葛藤があるらしく、彼女は、サニーが叩いたり、ものを投げたりするときは、きちんと「いけない」と教えるのだという。しかし、サニーはすぐにおじいちゃんのところに走っていき、おじいちゃんはサニーをかばってあげるらしい。何度も「大きくなってからでは遅いから、今のうちにきちんとしつけをしておくべき」と言っても、おじいちゃんはサニーがよほどかわいいのか、絶対に叱ったりしないし、叩かれても蹴られてもやられるままになっているという。

祖父母にとってはかわいい孫には違いない。しかし、サニーの母親はこうしていけないことをいけないといわれないで育てば、将来、もっと大きな問題が出てくるだろうと心配している。子どもにとって、何よりも混乱するのは、まわりの大人が同じメッセージを送らないことに違いない。一方の親が叩くのをOKとして、もう一方が厳しくNO!と言っても効果はない。そのため、家庭では同じメッセージを繰り返し伝える必要があると思うけれど、サニーの母親はこの件で非常に苦労しているようで、とっても気の毒に思った。

「で、エリックは叩いたり、ものを投げたりすることはあるの?」
とサニーのお母さんは聞いた。
もちろんですとも! エリックは噛むことはないにしても、たまに私や夫を叩くことがある。もちろん、力任せにはやっていないし、叩こうとしてやめることもよくあるので、「やってはいけない」ことはよく心得ている。私と夫はこの行動を絶対に許さないし、その度に「叩いたり、ものを投げたりしてはいけない」というルールを、また、「感情をコントロールする」ことの大切さを繰り返し教えている。根気よく、同じメッセージを繰り返し伝える以外に、私には方法は考えられない。

Wednesday, August 3, 2011

Conscious Vegetarian

最近、エリックが日本人の知人にいただいた「日本製の鳥のぬいぐるみ」。「鳥」といわれるまで私もわからなかったほど、丸々と太っていて服を着ている、ちょっと奇妙な代物。エリックはそれを「チキン」と名づけて、「チキンのおうち」まで作ってあげるという気に入りよう。
そのうち、「チキン、チキン、ベーコン、チキン」と呼ぶようになっているのがおかしい…(我が家では豚のベーコンは食べないけれど、たまーにチキン・ベーコンを食べることがある)。

「チキン」といえば、最近、エリックはときどき食べる「チキン」の出所がわかったようで、「かわいそうでしょ」と言って食べるのを拒否している。私は最近、お肉を料理することがほとんどないのでそれはいいのだが、ここ数週間は魚にも彼の関心が及んでいるようだ。

今日もふと「マミイ、Don’t make salmon.かわいそうでしょ」と何の脈絡もなく言うので、「なんでそんなことを急に言うわけ?」と聞くと、「Eric was thinking about howかわいそうSalmons are if we eat them」と言う。

2週間ほど前、お招きいただいたお宅でお寿司を出してもらったのだが、エリックはそのとき刺身の乗ったお寿司を拒否して食べなかった。「これ、さかな?」と全部いちいち聞いて、私が「それはきゅうりよ」と言うまで食べなかった。
こうして、「かわいそう」という言葉をひんぱんに口にするエリックは、最近、自らベジタリアンになっている。いつまで続くことやら…。

シャイなふたりがいっしょに遊ぶ

デイケアは先週から2週間お休み。ということで、私にとっては長~い2週間の真っ最中。
デイケアで会っていたお友達と会えないエリックは、「サニーはどうしてるかな」とか「サニーに電話をしよう」とか言っていた。

昨日、偶然、散歩にでかけるとサニーとばったり遭遇。サニーのマミーは「サニーはエリックに会えないからさみしがっていたのよ。電話しよう、とか言ってたけれど、電話番号がなかったからできなかったの」と言う。それなのに、当のふたりはお互いにもじもじと恥ずかしがってHiすら言わないのだ。ふたりともShyなのだ。

仕方ないので、私が「スプリンクラーでどうやって遊ぶか、教えてあげようね」とふたりの手を取ってスプリンクラーの近くに連れてくると、とたんにふたりはキャッキャと騒ぎ出し、お水がはねるのを見たり、手をかざしてみたりと喜んでいる。あとは、私の存在など忘れ、ふたりで何が楽しいのか、嬉々として手を叩いたり、名前を呼んだりして遊んでいた。

そのあと、いっしょにおうちに帰る途中で気付いたのだけれど、サニー(中国語と英語のバイリンガル)は何かを持ち上げたりするとき、「よいしょ」と言っているではないか! これはきっとエリックの「よいしょ」がうつったのだと思うと本当におかしい…。

もうひとつ。帰り道、エリックは路上にいた小さな虫を見付けて、いつものように指でつまみあげて手のひらに載せたままじいっと見ていた。横で見ていたサニーも「ぼくにもちょうだい」と言って興味を示すと、サニーの母親はすぐに、
No, No, Sunny, It is dirty. Don’t touch it!
と大きな声で言っていた。それから、私はサニーの母親が後から「今後、絶対に虫を触ってはいけませんよ」と強く諭していたのを聞いた。

エリックは帰り道、私にそっと「Is むし dirty?」と不思議そうに聞いてきた。
私は、「マミーは虫が汚いとは思ってないけれど、虫を汚いって思う人もいるんでしょう。何が汚いかは、それぞれ人によって定義する仕方が違っているものだからね。マミーは虫を触っちゃだめ、とは言わないから、エリックが虫を触ってもマミーはOKよ」と言った。
この日のディナーのとき、エリックは夫にこのときのエピソードを話していたのだが、そのときの夫の答えはこうだった。
「ダディも虫が汚いとは思わない。でも、サニーのマミーはもしかしたら、あの虫がサニーを噛んだりするかもしれないから、ああ言ったのかもしれないね。虫のなかには、触ったら毒を持っていて危険な虫もいたり、サニーのマミーが生まれ育ったところでは、そんな危険な虫がたくさんいるのかもしれないから、そういう意味で触ってはだめ、と注意したのかもしれないね」
さすが、人類学者らしい答えだなあと思って、そうコメントしたら、夫は私にこう言った。「君の答えはなかなか哲学者らしい答えだと思うよ」。

私は小さいころ、虫を見ると「キャー」と言うように訓練されてきたような気がするので、エリックにはその反応は自分で決めてほしいと思っている。今のところ、エリックは虫をこわがったりはしない。よろこんで手のひらに載せて観察する。また、無意味に虫を殺したりもしないし、たとえば、ありが歩いていると自転車をとめてありが道を横切るのを待っていたりする。このあたりの反応も今後どう変わっていくのか興味津々。