Thursday, November 26, 2009

「~のなまえ ~のなまえ」


英語と日本語が完全に異なる2つの言語体系だということにいつ気が付くのだろう。
「ダディのなまえ ピーターなまえ」「マミーのなまえ ちえみなまえ」「Skyのなまえ そらのなまえ」「Parkのなまえ 公園のなまえ」「たいようのなまえ Sunのなまえ」「りんごのなまえ Appleのなまえ」「Butterflyのなまえ ちょうちょのなまえ」・・・
最近よく言う「~のなまえ ~のなまえ」という言葉は、ひょっとするとそれに少しずつ気が付き初めていることを示しているのかもしれない。「もの」には名前があると知って、2つの名前があることをこうして理解しようとしているのだろうか?

最近の言葉(2歳5ヶ月)

最近のことばを記録してみよう。
「Meそれ食べてみよう」
「Me くも 行ってみよう」
「Me クイーンズパーク 行ってみよう」
「マミー こっち 読んでみよう」
・・・といった風によく言うのが「Let’s」形。意味をくんであげれば、それぞれ(上から)、
「それ食べる」
「くも(雲)に行こう」
「クイーンズパークに行こう」
「マミー、こっち 読んで」
となるはずなのである。つまり、意思・願望・依頼などの形を「~(して)みよう」で言い表しているような様子。
そういえば、私って「食べなさい」というより、「食べてみよう」だし、エリックのやる気を起こさせるために「~できるかな? やってみよう!」という感じでよく話しているので、エリックもそうした「Let’s」形が叩き込まれているのかもしれない。

また、動詞が完全に言い終わらない形もよく見られる。
「Me わんわん(に) シャンプー して(る)」
「Me じぶんで食べて(る)」
最後の語尾が切れている。

Friday, November 20, 2009

MistakeではなくてError

最近、チョムスキーの「ルール探し」をしている様子が見られる。
公園でりすにピーナッツをあげようとしているときに、りすが来ないと、
「りす きない」
と言ったので、私が
「そうね、りす こないね」
と言うと、
「こない」
と直していた。これは非常な進歩だと私には感じられた。これ以外にも「入るない」(入らない)、「聞かない」(聞こえない)など、Errorが見られる。ずいぶん前のポスティングで、第一言語習得の過程について触れたが、電報スピーチから文章へ発展していく過程で起こるこの「いい間違い」、チョムスキー曰く、それらはErrorであって、Mistakeではない。Errorのなかから正しい言い方を学んでいくなかで、そのうち言語体系の理解ができあがってくるらしい。エリックの最近の様子を見ていると、実にそれが垣間見られるようで興味深い。

Wednesday, November 18, 2009

あれ? 吃音がかなり減ってきた・・・

2週間ほど前、「Me , me, me…」となっていて夫が心配した吃音だが、ふと気付くとほとんどなくなっている。短期間、わずか2週間だけの吃音だったようだ。
その反動というか何というか、最近増えたのが「えーっと」や「んー」。ちょっと考える時間を確保しながら「えーっと」とやっているのを見て、夫が「そういや、君もよく言うね」。日本語を話しているのは私だけ。もちろん、私の刷り込みなのだろうね・・・。

Friday, November 13, 2009

最近の様子(2歳5ヶ月)


*窓の外を見ながらのひとりごとが増えた
*めっきりひとりで遊べるようになった
*主語はやっぱり「Me」
*好きなものと嫌いなものをはっきり主張するように
*「うたのかい、行こう」と繰り返し、わらべうたが大好きに
*歌える歌は、Twinkle Twinkle(英語日本語)。虫の声、とんぼのめがねはまだまだ部分的
*図書館が好き(本の貸し出しが好きで「借りよう、借りよう!」と興奮)
*よく歩くように。ストローラーなしでの散歩が増えた
*gleaning(落ちているものを拾うの)が好き。最近は銀杏拾い、落ち葉拾いが旬
*リスにえさをあげるのが日課になっている(リスを見ると「あげよう、あげよう!」と興奮)
*複雑に込み入った絵のなかから小さいものを探すのが好き
*お絵かき熱は冷めたかも・・・
*昼寝がやっぱり長く、1時間半で起こすけれど、物理的に起きるまでに30分を要する(頭痛の種)
*ときどき、ふとやってきて「マミイ!」と言ってチュッとキスする
*家にいる間は失敗なくおまるでできる(次のステップが不明な私は外に出すときのダイパーを外すにはどうすればいいのか迷い中・・・)
*ドアの音がすると「ダディ帰った!」と夫の帰りを待っている様子
*私と夫の手を取って「みんなでさんぽ行こう!」とよく言う

Tuesday, November 10, 2009

日本語が第一言語になっている?(2歳4ヶ月)


引き続き一生懸命話そうとしているE。一時は「Doggie coming down」とか「Me coming bedroom」などと英語と日本語が同じくらいの比率で使われているように見えたが、最近はどう考えても日本語が主体になっている。
「Meきのう 大きい バババ(ヘリコプター)みた」
「Me りす アーモンド あげなかった」(りすにアーモンドをあげなかった)
構文を見ると、明らかに日本語の並びになっているし、何より圧倒的に日本語の単語の方が多い。単語の数が限られているし、助詞がないのでまだまだ完成には遠いものの、2年4ヶ月で、それも私ひとりの日本語を聞いて、よくここまで習得できたものだとちょっぴり感激。

それと同時にちょっぴり焦り気味の夫。「一親一言語」で行くのだから「英語だけで話すように」と何度注意しても、Eの日本語の語彙が増えるにつれて「わかった?」などと日本語で話しかけている。しかし、「日本語が第一言語になっている」という私の指摘で、ここ数日はかなり意識的に英語で話しかけようとしている。英語での質問にも、しかし、次のように日本語で答えるE。
夫: What did you do today?
E: えーっと、Meクイーンズパーク ginko(銀杏)ひろった

明らかに日本語が第一言語になっているように今のところは見える。ただし、Eの言語発達の過程はめまぐるしく変わるので、これも一時的なことかも知れないけれど・・・。

Tuesday, November 3, 2009

吃音と「話したい」という欲求


Eが一生懸命に話している様子は、脳機能を100%駆使してそれを言葉として結実させようとしているようで、ことばが無理なく自然に出てくる私には新鮮な驚きとして映る。それを見ていると、私たち人間には、自分の思いを伝えたい、相手とコミュニケーションしたい、という欲求が備わっているのだろうと思う。

1週間ほど前から気がついたのだが、一生懸命にしゃべっているので、よくどもっているE。「Me, me, me,me…」と言って何か言おうとしているのに出てこず、自分で笑っているのをみると、自覚もある様子。最初はほとんど気にしてなかった私だけれど、夫は気になったようですぐに調べていた。そして、「幼児にはよくある現象で、自然に治っていくものだから心配しなくていい。矯正しようとしない」ようにと私に言った。

そういえば、数日前に図書館で3歳くらいの女の子が私のところへ来て前に置いた本を指しながら「Is this,is this,is this...」とうまく言えない様子だったので、「This is not mine. Please take it」と答えたのだった。そのときは気にもとめてなかったけれど、これも「よくある現象」?

「よくある現象」とはどのくらいの比率? で、私も調べてみると、それが案外と「よくある」わけではないことがわかった。2歳からの幼児期に始まるいわゆる「吃音」は、発達性吃音と呼ばれる。この時期はもちろん、子どもの言語発達が急激に伸びる時期であって、それと関連があるようだが、はっきりとした原因は実はわかっていない。頻発率は5%で、男子と女子を比べると男子が圧倒的に多い。学校に行くころになると自然と治るケースがほとんどであるという。

専門家による研究の結果、はっきりした原因がわかっていないのだから、私に何か言えるわけではないのだが、Eの様子を見ていると、どうも英語の方がどもっている回数が多いような気がする。ただ、早口だったり、完璧な文章ではなかったり、文章をよく言い換えたりしているのは私の日本語で、英語話者の夫はいつも意識的にゆっくりとEに話しかけているし、彼のことばはかなり明瞭で分かりやすい。なので、どうして英語でどもっているのか疑問が残るが、ま、スピーチセラピストに連絡するのもちょっと待って、今のところは経過を見ておくことにしよう。