Tuesday, November 3, 2009

吃音と「話したい」という欲求


Eが一生懸命に話している様子は、脳機能を100%駆使してそれを言葉として結実させようとしているようで、ことばが無理なく自然に出てくる私には新鮮な驚きとして映る。それを見ていると、私たち人間には、自分の思いを伝えたい、相手とコミュニケーションしたい、という欲求が備わっているのだろうと思う。

1週間ほど前から気がついたのだが、一生懸命にしゃべっているので、よくどもっているE。「Me, me, me,me…」と言って何か言おうとしているのに出てこず、自分で笑っているのをみると、自覚もある様子。最初はほとんど気にしてなかった私だけれど、夫は気になったようですぐに調べていた。そして、「幼児にはよくある現象で、自然に治っていくものだから心配しなくていい。矯正しようとしない」ようにと私に言った。

そういえば、数日前に図書館で3歳くらいの女の子が私のところへ来て前に置いた本を指しながら「Is this,is this,is this...」とうまく言えない様子だったので、「This is not mine. Please take it」と答えたのだった。そのときは気にもとめてなかったけれど、これも「よくある現象」?

「よくある現象」とはどのくらいの比率? で、私も調べてみると、それが案外と「よくある」わけではないことがわかった。2歳からの幼児期に始まるいわゆる「吃音」は、発達性吃音と呼ばれる。この時期はもちろん、子どもの言語発達が急激に伸びる時期であって、それと関連があるようだが、はっきりとした原因は実はわかっていない。頻発率は5%で、男子と女子を比べると男子が圧倒的に多い。学校に行くころになると自然と治るケースがほとんどであるという。

専門家による研究の結果、はっきりした原因がわかっていないのだから、私に何か言えるわけではないのだが、Eの様子を見ていると、どうも英語の方がどもっている回数が多いような気がする。ただ、早口だったり、完璧な文章ではなかったり、文章をよく言い換えたりしているのは私の日本語で、英語話者の夫はいつも意識的にゆっくりとEに話しかけているし、彼のことばはかなり明瞭で分かりやすい。なので、どうして英語でどもっているのか疑問が残るが、ま、スピーチセラピストに連絡するのもちょっと待って、今のところは経過を見ておくことにしよう。

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