Monday, January 23, 2012

Ginger bread man found!

昨日の晩ご飯のとき、今朝親友のドリアーニとベーカリーで会った話を夫にしていた。

それで思い出した私が、
Oh, Doriane found the man!! (ドリアーニ、彼氏ができたのよ!)
と興奮して言うと、今までおとなしくキュウリサラダを食べていたエリックが突然、
「ん?」
と顔を上げ、
Did she find a ginger bread man? (ジンジャー・ブレッド・マン、見つかったの?)
と言う。


最近のエリック、こういうすっとぼけたコメントが多い。自分が去年のクリスマス、どこかでもらったジンジャー・ブレッド・マンをなくしたからって・・・。ほんと、この年齢って考え方がかなり自己中心的で笑える。

「け、けっこん??」

あれは何をしていたときだろうか? 何の脈絡もなく、突然、エリックが、
I will marry Elenor when I become a teenager.
と言った。

「marry結婚」ということばは、きっと絵本「Shrek!」からだと思う(「シュレック」では、醜い怪物のシュレックが同じように醜いプリンセスと最後に結婚する)。

私と夫は大笑い・・・。

しかし、相手がエレノアというのはうなづける。エレノアとエリックはお互いをbug friendsと呼んでいる。デイケアのスタッフによると、プレイグラウンドでよくふたりで土を掘っては虫を探して喜んでいるとも聞く。

去年の春くらいからエリックはとにかく虫が大好きになって、お散歩や遊びに行っては虫探しに余念がなかったのだが、エレノアもエリックと同じくらい虫好き。そういや、ハロウィーンでは、エレノアはLadybug(てんとう虫)、エリックはBee(みつばち)になってたわね~。
都会に住んでいるからだろうか、虫が好きな子どもって案外と少ない。お友達を見ていると、4歳でもう虫をみると「キャー!」と言ったり、虫は「きたない」と言う子どももいる。なので、エリックとエレノアが虫を通して特別につながっている、というのは確かにうなづける・・・。
「なんでエレノアなの?」
と聞くと、
Because we like bugs so much that we cannot hundle it(だってふたりとも虫が大好きだから)
だそうだ。やっぱりね。

それから、
You marry someone who is similar to you, right?(結婚は、自分に似た人とするんでしょ)
と言う。あー、なるほど。

さらに、
I like Sunny, but he is a boy, so we cannot marry…
とも言う。ここで、私がすかさず、
「でも、カナダでは同性結婚は合法化されてるから、法的にはできないわけじゃないのよ~」
と言うと、夫がこうコメントする。
That’s too much for 4 years old!

まあね・・・。でも、10代の結婚ってのはちょっと困るわ~。

Monday, January 16, 2012

「ハーフ」と「ダブル」および「ミックス」

今日、ふと夕食のときにエリックが言った言葉は、

「エリックはハーフでしょ」。

以下、続く会話。

私: は?
エリ: 半分は日本人で、半分はカナダ人でしょ
私: まあね。そんなとこかな。
エリ: そんで・・・、エリちゃん、アイリッシュもあるね。
夫: ま、それはエリックがもっと大きくなって教えてあげるよ・・・。
私: それ、どこで聞いてきた言葉?
エリ: うーん、わかんない・・・。

エリックが「ハーフ」という言葉を自分に対して使ったのは、これが初めてだと思う。
私か夫が言っていたのを聞いたのか、外で誰かが言うのを聞いてきたのか、わからない。
でも、このとき、私はこの「ハーフ」という言葉にいささかの悲しみを感じて自分でも驚いた。

エリックが「半分」って、一体、どういうことなんだろう。

私も夫はほとんど「ハーフ」という言葉をエリックに対しても、他の子に対しても使わない。
なるべく外見で規定することを教えたくない、という思いがある。

「ハーフ」という言葉にかわって、もっとポジティブな意味を持たせようと「ダブル」と呼ぶ人もいる。
これもこれで私は感覚的に馴染めない。ティム・ホートンを思い出す(ごめん、ローカルで)。
それに何よりわざとらしい。

今は「ミックス」というのが普通だろう。
数量的なニュアンスはないし。
ちなみに、たとえばアイリッシュとフランス系の場合は「ミックス」ではないんだよね。
だから、これって、あくまで「人種」に関する「ミックス」なのだよね。
今では「人種」という概念は学術的には破綻しているのだけれど・・・。

どれもこれも何だかなあ・・・。

Friday, January 13, 2012

子どもたちのソーシャル・スキル:本を読むネコたち

先日、デイケアにエリックを迎えに行ったら、


「ミャオミャオ、ミャオミャオミャオミャオ、ミャオミャオ・・・」


という子どもたちの合唱が聞こえてきた。


見ると、6人くらいの子どもたちがカーペットの上で輪になってそれぞれ本を読んでいる。全員が「ネコ語」で読んでいるらしい・・・。


そのなかにエリックを見つけて「何してるの?」と聞くと、「ミャオミャオ」としか言わない。サシャに聞いても「ミャオミャオ」、エレノアも「ミャオミャオ」というので、こっちもつられて笑ってしまった。


デイケアのスタッフも、Yes, today we have cats instead of kids! と笑っていた。


しかし、こうして小グループで何か一緒にしているときの子どもたちって本当に楽しそうな表情をしている。そして、このネコ語で本を読んでいる子どもたちは、みんな一緒にキンダーガーデンに行っているお友達で、年下の子どもたちは入っていない。


こういう風景を見ると、4歳くらいでソーシャル・スキルがぐんぐん発達しているのだと気付かされる。


最近、エリックは「デイケアに毎日行きたい!」と言う(エリックは週に2日)し、午後のプログラムに入っているにもかかわらず、「キンダーガーデンに行くよっ!」と張り切って、朝ごはんを食べたあとにコートを着たりする。


お友達と一緒に遊ぶのが楽しくて仕方ない。お友達とのコミュニケーションも言葉を介して取ることが多くなった。それぞれの性格もわかってきたようで、「好きなお友達」と「あまり遊びたくないお友達」もできている。


エリックが2歳、3歳のころ、この「ソーシャル・スキル」の発達が大切であることをパブリック・ナースなどから聞き、どうやったらソーシャル・スキルは発達するのか、と思っていたが、結局のところ、時がくれば自然に身についていくのだろうね。あまり心配しすぎることはないってことかもしれない。しかし、この「ソーシャル・スキル」、カナダ社会では最も大切なスキルのひとつとされていて、就職の際にもカギになる。カナダの学校教育のなかでこのソーシャル・スキルがどのように位置づけられているのか、教師がどうやってこのスキル獲得をサポートしているのか。今後、こうした面も観察してみたいと思う。

Monday, January 9, 2012

絵本批評: Shrek! by William Steig




エリックの最近の大のお気に入りといえばこれ。映画にもなった「シュレック」だが、私は最初エリックと読んだとき、「変な本だわねえ・・・」とつぶやいた。とっても難しい単語や言葉遊びがたくさん出てきて私には難しいうえ、みにくい人かモンスターが主人公で、最後に同じようにみにくいプリンセスと結婚する、というストーリーも何だかとっても奇妙に感じられた。エリックの大好きなDr.De Sotoの著者William Steig(ウィリアム・スタイグ)だからと図書館で借りてきたのだけれど・・・。


しかし、夫が何度か読んであげているうちに(夫の読み方を聞くと、私とは違って英語のリズムで読んであげている。このあたり、私にはできないんだなあ・・・)、エリックはこの本が大好きになり、そのうちに文章を覚えて、ふとしたときにそれらを言うようになった。そうして暗誦しているときのエリックはとっても楽しそうなのだ・・・。


ストーリーは醜いシュレックが旅に出て、魔女と出会って彼女の予言を聞く。それが本当になって、最後には同じように醜いプリンセスと結婚する、というもの。でも、この本の醍醐味はストーリーではなくて、言葉の響きや詩のようなリズムある文章だろう。何度も何度も繰り返して読むうちに、子どもは英語のことばのリズムと遊びを感じ取るのだと思う。


それにしても、子どもと大人ではこれほどまでに捉え方が違うのだ、とこの本は改めて教えてくれる。大人がおもしろいと思った本も、子どもには?ということもあるし、反対も然りである。そうすると、疑問なのは、大人であるウィリアム・スタイグはどうしてこうした本が書けたのか、ということである。それも、こんなに自然に、言葉が流れ出すように書けるというのは驚きでしかない。ウィリアム・スタイグ、やっぱりタダモノではない・・・。

最近の様子(4歳7ヶ月)

ここ1ヶ月ほどの間に劇的に変わったことといえば、エリックがいつもしゃべっていること。
以前はミニカーで遊んだり、レゴで遊んだりするときはかなり静かに一人で黙々やっていたのだが、今では実況中継というか、想像を含めて途切れることなくしゃべっている。ミニカーで遊ぶときには特に困ったもので、Crash! Crash! Bang bang! などと大声になるので、これには私もほとほと疲れて、ウンザリしている・・・。夫は「こうしてしゃべって語彙を増やしたり、しゃべる練習をしているのだから」とか「これもまた一時的なこと」と言っているが、早くこの時期、終わってほしい・・・。


・主要言語は引き続き英語
・私とエリックの会話は私(日本語)、エリック(英語+少しの日本語)私と話すときは英語90%、日本語10%くらい(変化なし)
・英語の発音(R, L,)を夫に直されていたが、最近かなり上達し、ほめられている
・始終、しゃべっている
・「英語の語彙が増えている」と夫が言う

・好きな本は何度も読んでもらって、すぐに覚える。そしてそれを繰り返す(英語)
・コードミクシングが頻繁に見られる
・英語は過去形、単数・複数形、代名詞、所有名詞などをおよそ正しく使っている。不定形の過去形の間違いがたまにある(winの過去形wonがwinedになったり)
・引き続き、比較級の使い方(more bigger)にも間違いがある
・所有格mineがminesになって、何度も直されている

・アルファベットを書く速度が少しは速くなった
・単語を書くと大きさがばらばら。字が大きい
・サインや看板、パッケージに書かれた文字などを読もうと試みる
・50くらいまでを時々間違いながらも言うことができる(英語)
・日本語だと、1から20まで数える

・絵本のShrekが大好きで、かなりの部分を覚えている
・絵を描くのが好き。最近は大きな○に棒を3本使って人らしい形をつくるように。箱のようなもののなかに(キンダーガーデンだとかお店だとか、らしい)それを入れて「これはだれ」と教えてくれる
・「季節」「曜日」「週末」という概念が少しわかってきた
・「カルマ」の概念もわかる

・相変わらずよく食べる。食い意地が張っている。「半分ね」と言われると、半分にしたものの大きい方を自分が取る
・好きなものは引き続き「ごはん」と「おすし(カリフォルニア・ロールとアボカド・ロール)!」カリーとトマトはやっぱりダメらしい

・デイケアとキンダーガーデンが大好き。お友達と遊ぶのがいちばん楽しいらしい
・はじめてアイススケートをした。かなり楽しかったらしい
・お昼寝がなくなった

Monday, January 2, 2012

フレンチ・イマージョン・プログラム

12月の末に幼稚園でもらってきたプリントは、フレンチ・イマージョンに関するものだった。そのプリントには、「フランス語のプログラムという選択肢があります。シニア・キンダーガーデン(年長組)は、子どもが初期イマージョン・プログラムを始められる唯一の時期です」とある。


「フレンチ・イマージョンとは?」をちょっと翻訳してみよう。

・初期イマージョン・プログラムは、フランス語を家庭で話さない子どもを対象としています。
・初期イマージョン・プログラムは、公立学校では最大限のフランス語環境を提供します。
・初期イマージョンは、シニア・キンダーガーデンから始まります。グレード3(3年)まで、体育をのぞき、すべてのクラスがフランス語で行われます。
・英語はグレード4から1日1時間から徐々に導入され、グレード6では、半分が英語となります。
・グレード8(中2)以降は、特定の中高等学校でフレンチ・イマージョンを継続できます。
・高校までのフレンチ・イマージョン・プログラムを終えると、Certificate of Bilingual Studies in French Immersionが授与されます。


フレンチ・イマージョンはフランス語と英語を公式言語とするカナダ独自に開発されたプログラムであると聞く。初期イマージョンは、フランス語ですべての教科を教えるため、英語でフランス語を学ぶ(つまり、第二外国語として学ぶ)のとはまったく性質が違っている。


私はどちらかというとフレンチ・イマージョンに興味があるが、夫は反対である。彼の意見は「まずは日本語をしっかりさせて、フランス語をするなら小学校後期から第二外国語として学べばいい」。


私の知り合いに、家庭の使用言語は日本語で、初期フレンチ・イマージョンに行かせている家庭がある。夫はこの子どもたちに英語で話しかけたとき、英語での反応が悪かったのを見て、初期フレンチ・イマージョン反対の立場を強くしたように思われる。


確かに、家庭での使用言語が英語の場合、初期フレンチ・イマージョンは理に適っている。環境言語(Dominant=主要)の英語、そしてフランス語を同時に学ぶことができるから、バイリンガル教育にはもってこいである。


しかし、私たちのように家庭の使用言語が日本語と英語、という場合はどうなのだろう。日本語と英語の基礎をまずしっかり教えて、優先順位の低いフランス語を少し大きくなって学ぶ、という夫の立場も私には十分理解できる。モントリオール生まれの夫は、その後期フランス語プログラムで十分フランス語を習得してきている。


とにかく、バイリンガルで育てている親が何よりも避けなくてはならないのは、どちらの言語もまあ出来るけれど、どちらとも文学を書いたり理解したりする程高度に発達していない、という状況だろう。エリックの場合、現時点では英語が主要言語になっている。私もどちらかというと、夫の意見に賛成であり、小学校後半になってフランス語を始めるなら始める(始めないかも)、というところで落ち着きそうである。


ちなみに、なんで日本では英語イマージョンをしないんだろう。英語の授業はすべて英語で受ける、というのを週に2時間でもすれば、必ず効果は出ると思うのに・・・。