Sunday, September 16, 2012

反抗期?

思うに、最近、エリックは反抗期の真っ最中。いつごろから始まったのだろうか、と考えるに、夫が今年の夏、カナダに一時帰国したころからだという気がする。3週間ほどで帰ってきた夫はIt seems that Eric has entered a new phase.と言っていたもの。



新しく出現した問題行動のひとつは、ものを投げること。気に入らないことがあったらクッションを投げたり帽子を投げたりしている。幸い、投げているのはもっぱら軽いものなので(それも投げるといっても1メートルも飛ばさないんだけれど)、あんまり問題でもないのだが、自分の感情をものにぶつける、というのはやはり問題なので、私たちはその行動を直させようとしている。



もうひとつはいわゆるTalk backという、失礼なものの言い方。たとえば、Please stop it.と言うと、エリックがYou stop it!と切り返す。こういう言い方は相手に対して失礼だし、相手の気持ちを害するということを何度も言って教えている。



最後に、Because I want it!と言いはって、妥協をしない行動。あるいは自分の思い通りにならない場合のwining(グズグズ)も同じで、すべてが思い通りにならないときには、どういう行動を取ればみんなにとっていいのかを考えさせている。



夫はもちろんじっくり話して聞かせながら、ときにはPunishmentも与えている。今まで、エリックに関してはあまり行動面で手を焼いた、ということがない分、最初はちょっと驚いたが、ここでしっかりとどうしてこうした行動がよくないのかを自分で考えさせ、どういう行動が代わりとして考えられるか、と問うことでエリックもきっと成長できると思う。



ここ最近、滋賀県の中学生がいじめが原因で自殺をした事件をはじめ、日本ではいじめ問題がどんどん表面化しているが、親としてできることのひとつは、他人を傷つけないことの重要性を幼いころから繰り返し教えることだと思う。力による暴力だけではなく、ことばにも他人を傷つけるパワフルな力があることを、先生ではなく親が小さい頃からしっかり教えておく必要があると私は思っている。



また、Empathyということも大切である。それが自分に起こったらどうなるのか。今、その状況で他人はどう感じているか。そういう感性が大切だと思う。そのためには常に自分の感情にreflectiveでなくてはならない。怒りという強力な感情があることを、まず認め、それをみんなのためになるような形としてどうやって他人に伝えるのか、それは小さい子どもには繰り返し考えさせなくてはならない。



反抗期というのは、親にしてみれば面倒な時期ではあるが、一方で子どもにとっては多くの学びのチャンスがある時期だともいえる。いつも長期的な展望を忘れないようにしよう。エリックが将来、正しいことのできる、責任ある人間になるための仕事だと思えば、これほどやりがいのある仕事もないものだとつくづく思う。

Friday, September 14, 2012

「学校が楽しい!」

子どもが「学校に行きたくない!」と言うのを聞くと、親としては何ともやりきれないということは、私も身を持って体験した。保育所に行っている間、エリックはほとんど毎日のようにそう言った。まあ、そうは言っても泣いてダダをこねるわけでもないし、保育所でのエリックの様子を見ると特に心配することはない、と思っていたが、最後まで保育所に馴染めなかったのは事実である。

今年の夏はよくソフトクリームを食べたね


私が判断するに、その理由の最も大きいものは、エリックが保育所を「安全な場所」だと最後まで思えなかったことだ。エリックの行っていた保育所では子どもが友達を蹴ったり、叩いたりしていても、先生がやった方も、やられた方もなだめすかして何とかその場を取り繕う、というやり方が取られていたように思う。トロントで4歳まで育ったエリックにとっては、こういう場合には先生が必ずお互いから話をきちんと聞くことで原因を追究し、相手を傷つけた子どもに分かりやすく何故その行為が悪いのかを言い聞かせるのが当然なのだ。



子どもだからきちんとこういうことを説明することはできないけれど、エリックは時々、「なんで叩いた子が謝ってないの?」というような質問をして、その疑問を私にぶつけていたんだと思う。



私は子どもがその年齢相応の刺激のなかで知的に学ぶことができるためには、何よりもまず環境における安全性が確保されていなければならないと信じている。子どもがびくびく何かに怯えていたり、不安を感じたりしている状態では、真の学びなどありえない。そういう意味でも、エリックが行っていた保育所は私たち親にしてみればエリックにとってためになる場所ではないという気持ちを徐々に強めていった。



さて、今。エリックは毎日楽しそうにKISに行っている。金曜日の夜に「学校に行きたい!」と言ったり、夕食のときにその日にあったことをいろいろと楽しそうに話してくれる様子を見ると、親としては本当に安心できるし、何よりうれしい。



子どものしつけに関しては、日本は北米に比べると驚くほど遅れている。「しつけ」というのは、将来、子どもたちが責任ある社会の一員になるためのルールを教えることである。この私の印象は、何もエリックが前に行っていた保育所だけに限った話ではないと思う。概して、そういうしつけを親は家でもしていないようで、このあたりを変えると日本社会は変わるんじゃないかと思うんだが、どうなんだろう。

最近の様子(5歳3ヶ月)

日本に来て8ヶ月半。今のエリックはやはりどちらかというと英語が強いけれど、日本語もかなりできるようになった。それは多分、5ヶ月通った日本の保育所で習得した部分が大きいんだと思うが、今月(9月)からまた英語の学校に戻ったので、今後どうなるかは私にも分からない。

・主要言語は引き続き英語だが、日本語へのスウィッチも簡単にする

・私とエリックの会話は私(日本語)、エリック(英語+日本語)。夫とはもちろん英語

・吃音はかなり減ったが、泣いた後とか精神的にUpsetした後にやはり出てくる

・コードミクシングが頻繁に行われている

・英語は過去形、単数・複数形、代名詞、所有名詞などをおよそ正しく使っている。過去形の間違いがたまにある(winの過去形wonがwinedになったり、buyの過去形boughtがbuyedになったり)(継続)

・比較級の使い方(more bigger)にも間違いがある(継続)

・所有格mineがminesになっている(継続)

・アルファベットは上手に書けるようになった。日本語の文字は今のところ教えていない

・最近、反抗期だと思う。出された食事や提案に対して「イヤ!」が多いし、小さなことでけんかになる(いつも夕食後。疲れて眠いのだから早く寝ればいいものを・・・)

・絵を描くのが好き。引き続き抽象画専門

・紙を折ったりしながら、立体的なものを創ろうとする。テープやホッチキス、はさみを使って一生懸命取り組んでいる(この間は静かでいいのよね)

・ひとりでシャワーをして、シャンプーもできる

・食後にテーブルを拭くという仕事が与えられ、喜んでやっている

・自然が大好き。水に入ることが大好き。虫が好き

・合気道レッスンを受け始める

・夏の間は鴨川がおもな遊び場だったが、最近は御所のなかの公園で、ヘムレンさんみたく網をもちあるき、虫を探している

Saturday, September 8, 2012

鴨川でオオサンショウウオを発見!

トロントのことがなつかしい、恋しい、と思うときも多々あるが、京都も京都でいいところがたくさんある。その「いいとこ」のひとつは、京都は都市にもかかわらず自然に囲まれていること。


8月の中ごろ、京都では大雨が降って宇治川が氾濫したりして大変なことになっていたが、大雨が降った翌日、エリックといっしょに鴨川に散歩にいくと、なんと天然記念物のオオサンショウウオが! 二条と丸太町の中間くらいにある通称「亀石」と呼ばれる飛び石の下に、まるでひっかかったようになっていた。前を歩いていた若い人たちのグループが見つけて教えてくれたのだが、教えてもらわなかったらきっと見過ごしていたことだろう。50センチほどはあったと思う。かなり大きな図体、石みたいな、でも少しピンクかかった色、手と足が爬虫類っぽくって何とも愛嬌のある形だった。エリックは怖がりもせず、頭を何度かなでてあげていたが、オオサンショウウオは動かなかった。

 ジョギングをしている若い人が向こうから来たので、聞いてみると、大して驚いた様子もなく、ああ、大雨の翌日はときどき上流から流れてくるんですよ、と教えてくれた。



そのあと、エリックはいつものように鴨川に入って水遊び。私は傍でエリックを監視しつつ、本を読んでいたのだが、しばらくして誰かがオオサンショウウオを見つけたらしく、大声で叫んでいた。そして、子どもか何かがオオサンショウウオを動かしたようで、最終的に下流に流れていったようだった。そっとしておいてあげればいいものを・・・。

しかし、鴨川で私たちはいろんな動物を見ている。

ビーバーのようなかなりかわいらしい動物も何度か出町柳あたりで目撃しているし、夫とエリックはかなり大きな蛇も見ている。鴨川べりでお弁当なんか広げていた人の間近をとんびが音もなくやってきたのも見た。鴨もいるし、白鷺もいるし、水のなかにはめだかもいる。家から歩いて数分でこんな自然と出会えるというのは、何ともすばらしいことだと思う。エリックにとって、鴨川はどんなプレイグラウンドよりもワクワクする遊び場になっている。

Friday, September 7, 2012

新しい幼稚園に行き始める

まずは大きな変化から。エリックは8月後半から京都インターナショナル・スクール/Kyoto International School=KISに行くことになり、もう10日間ほど行っている。あんなに「行きたくない!」を連発していた保育所と違い、もうすっかり学校が好きになり、毎日、喜んで行っている。お友達ともいっしょに楽しく遊んでいるみたいで、その姿を見た夫は「今までの保育園でのエリックとはまったく違う」と言っていた。



相変わらずエリックの送り迎えはすべて夫の仕事なので、私は実際の様子を知らないが、彼が言うには、KISはエリックにはとてもあっているらしい。それに、何より安心して子どもを預けられる、と夫がとても喜んでいる。



少人数制で先生の目が届いているし、disciplineはきちんとなされているし、お友達とのコミュニケーションの仕方も学べる。ひとことで言うなら、年齢相応の学びの機会がたくさんある(先日は火山の噴火をベーキングソーダとお酢で作ったらしい)。トロントで行っていたキンダーガーデンにとても近い。



それに比べ、前に行っていた保育所は赤ちゃんが行くナーサリーのようだった。私も夫も、子どもたちを遊ばせているだけ、という印象を受けた。もちろん、一人ひとりの先生たちは子どもに愛情をもって接していたし、あの懐の深さはすばらしいと思っていた。でも、夫と私はいろんな面で不満だった。たとえば、子どもたちがけんかしているとき、別のことで気をそらそうとしているのを見たが、この年代の子どもたちにとっては、どうやって別の方法で問題解決ができるのかを教えてあげる方がずっといいと思われた。まあ、こうやって保育所と私たちの子どもに対する考えがこんなに違うので、とにかく私たちも不安でもあるし、イライラもしたし、何しろエリックがかわいそうでならなかった。



もうひとつ私が気になっていたのは、子どもたちの言葉遣いの悪さ。日本の子どもって、小さなときから言葉遣いが悪いなあ、というのが日本に来た私の印象だったが、保育所で聞いている子どもたちの言葉遣いには驚いた。このままエリックもこんなひどい言葉遣いを身に付けていくのかと思うと実に悲しかった。



さて、KISは夫が選んだ学校で、私はオープン・スクールに行ったくらいであまりしっかりと情報を仕入れているとはいえない。でも、校長先生と話をしたり、夫から聞きかじった話を総合的に判断しても、KISで間違いない、と思う。



ひとつ私が気になるのは、エリックの日本語。学校では英語を使っているので、今のエリックにはかなり快適だが、日本滞在中にエリックには日本語を学んでほしい、という私たちの願いがかなうのか、ちょっぴり気になる。小学校からは日に1時間、日本語の勉強があるそうだけれど、今はそれもなく、自然な流れで私が日本語を教える役目を担うことになる。ただ、フルタイムで働いている私にはあまり時間もエネルギーもなく、このあたりが気になっている。



KISの教育方針やカリキュラム、バカロレアについても私も興味があるので、ぜひ今後、いろいろ学んでアップしていきたいと思う。