Tuesday, October 25, 2011

キンダーガーデンに行かせるかどうか

オンタリオ州では、幼稚園に行くことは義務ではない。なので、幼稚園に通うかどうかは親が決めればよいことで、私もエリックが3歳ごろには、エリックも私とふたりで自然のなかを歩き回ったりしているのが好きだし、新しい環境に入れてはまた泣くことになるかも・・・と思って、「行かなくてもいいか・・・」とも思っていた。しかし、最近は行かせてよかった! と感じている。その理由をいくつか挙げてみたい。

・お友達と過ごす時間が楽しくなってきた
どうも最近、そうらしいのだ。デイケアでの様子を見ていてもそうだし、あんなにシャイなエリックも、最近は「もっとお友達と遊びたい」と言うことも増えたし、お友達と遊んでいるときの表情が本当に楽しそうなのだ。とても仲のよい友達も数人できた。そうした関係のなかから、こちらでよく言われる「ソーシャル・スキル」を学んでいる。私のような社交的でない母親には、キンダーガーデンやデイケアはとっても重宝する。

・自意識がはぐくまれる
デイケアのスタッフが言っているように、このくらいの年齢の子は、お互いを「コピー」しあっている。一人の子がすることを真似たり、同じような表現を使ったり・・・、と、よくも悪くもお互いの行動に影響を与え合っている。なので、まわりの大人はよい行動を助長し、悪い行動が蔓延しないようにマネージする必要がでてくる。その結果、こうした経験を通して、まわりの子どもたちの行動を見て、その行動が社会的に許容されるのかどうかを自分で判断する練習になる。また、幼稚園に行きはじめると、子どもたちは自分が「大きくなった」と感じるようで、それと同時に少し年上の子どもたちを意識して、彼らをモデルにし始める。なので、キンダーガーデンでやっている「バディ制度」が非常に有効なのは確実。そんななかから、自意識が芽生え始め、試行錯誤しながらそれがはぐくまれていくのだろうという気がしている。

・いろんなことを学んでいる
つい最近、お隣に住む4歳イマニのマミー、バーバラと会ったとき、彼女はこう言っていた。

「エリックの幼稚園では宿題をもらってくる? え、ないの? イマニの幼稚園では週に何度か宿題が出されるのよ。宿題といっても、点線の上をなぞったり、数字を書いたりするだけだけれど、イマニは楽しそうにやってるわよ。すごいわよね、幼稚園ではJKでもうアルファベットや数字の書き方、読み方を教えていて、SK(年長)になるとみんな書いたり読んだりするんだものね」

イマニの幼稚園はカソリックの教育委員会(オンタリオ州には、非宗教のものとカソリックの教育委員会があって、高校以前にカソリック系に入るには片方の親がカソリックであることが条件)が運営している。エリックが行っている幼稚園ではそんな高度なことは教えていないし、宿題もないのだけれど、「宿題について」とか「算数を教えるには」のようなプリントをよくもらってきている。夫はIt’s a bit too much, he’s just a kindergartener!と言っているけれど、幼稚園とはいえ、教師はオンタリオ州の教育カリキュラムに沿って、ちゃんと「めあて」や「目標」を設定しながらプログラムや遊び方を組んでいることが、私にもよくわかる。

オンタリオ州は北欧モデルにならって、幼児教育を充実させようという方向に向かっている。2013年までにはすべての幼稚園でAll Day Kindergartenが始まる(現在、段階的に導入している)。そうなってくると、すでに4歳から国家による一斉教育が始まるわけで、この考えに対するオルタナティブが出てくるのも当然と思われる。

大学時代、少しだけシュタイナーをかじったこともあるし、ウォルドルフのやり方に興味を感じていた。けれども、現実には私はそこまで子育てにコミットメントできないことに気付いたし、エリックと私というペアリングに最も最適なやり方は私がいちばんよく知っている、という自信も湧いてきた。

何にせよ、エリックは元気に楽しく日々過ごしている。その姿を見ることが何よりも私にとっては励みになっている。

Monday, October 24, 2011

遊びながら学ぶ(私もね・・・)

ここ数週間のあいだ、私はエリックにアルファベットの読み方を教えようと何度かトライしてみた。数字に関しても同じように数え方と数に対する理解を促そうと、こちらもやってみた。

結果、分かったことは・・・、まず、この年齢の子どもの集中力は侮れない、ということ、それから学んでもらおうと思えば、遊びの要素を取り入れなくてはならない、ということ。

たとえば、数週間前、私はエリックにいくつかのアルファベットが一緒になったらどんな音になるのかを教えようとしていた。数の数え方と数字の読み方を一致させることも。しかし、「CとAとTでキャットになる」というやり方ではいけないのだと気付いた。それで、お友達の名前をカードに書いて、あるいは交通標識(STOPとか)をカードに書いて発音と照らし合わせるという方法をやってみると、やっぱりこちらの方がエリックも楽しいらしい。また、数字だって、1から10まで書いた紙の上に、その数だけどんぐりを乗せる、というやり方だと楽しくやっている。無味乾燥な机に座ってやるような教え方はあまり意味がないのだと、頭では分かっていたけれど、こうしてみるとそれが本当に実感できた。

それに、集中力もすごい。じいっと真剣にやっている姿を見ていると感動的ですらある。そして、途中でできないからといってあきらめるのでなく、「最後までやりたい」という「やる気」も感じられる。このくらいの年齢の子にはそうした集中力と自分でやりたいというやる気が備わっているのだとつくづく感じる。

ただ、私の目にはあまりに簡単に見えることが、できないときには私もなんでだろう、と思う。なぜこれができないんだろう、と本当に心から不思議に思う。そんなときは、子どもをしっかり観察して、できない問題を捉えることが大切なのだと思う。でも、もし「なんでこんなに簡単なことができないの!」とか「これくらいできて当然でしょう!」と言うのなら、教えない方がいい。それなら、学校に任せる方がいい。今は「がんばってやってできた」喜びを経験させることのほうがずっと大切だし(時期がくればほとんどの子が読んだり書いたりできるようになるんだし)、その経験は「数字が書ける」よりずっとずっと貴重な経験として、Love of learningにつながっていくのだと思う。

子どもの姿から学ぶこと多き日々・・・。

Sunday, October 16, 2011

気になる発音


気になる発音をいくつか書いておこう。
まずは英語


・自分の名前Eric が(Airic-エイリックあるいはイーアリック)に聞こえる。エとリの間に何か入っているように聞こえる。不思議なのは、お友達もみんな同じように”Hi Airic”と言っているように聞こえること。Rの発音は子ども全般にとって難しいのだろうか・・・。
・Pizza:  これ、難しいんだろうか? 「ピッツァ」でなくて「ピッツタ」「ピッツア」に聞こえる。
・Pants: 「パーンツ」ではなくて、「ピャーンツ」に聞こえて、何だかアメリカンなのだけれど。
・Hand: 「ヒャーンド」みたいに聞こえる。これも同じくアメリカンな発音に近い
・Ants: これまた同じパターン。「アンツ」ではなくて、「アャーンツ」に聞こえる
・Here: 「ヒアー」これは、まったくの日本語(カタカナ)発音。夫が何度も直しているが今のところ変化なし
・Hurt: 「Hort」に近く聞こえる。これはどちらかというとブリティッシュ・イングリッシュに近い発音になっている


日本語
・「~しゅる?」が「~する?」になって「さしすせそ」がきれいにいえるようになった。おかげで、お友達のSasha(サシャ)は「シャシャ」でなくなった!
・「らりるれろ」も以前は英語発音に聞こえたけれど(Rの発音が入ってた)、今は日本語発音で言える

・これまできちんと言えなかった「おこのみやき」もきちんと言える


・・・というわけで、考えてみれば、日本語の発音はかなり上達している様子。日本語発音って隣の文字によって読み方が変わるというわけではないので、この意味ではStraight forwardなのかも。一方、日本語の発音に比べると、英語の発音は難しいのかも。とりわけRとL。お友達のなかにも同じくRとLの差別化ができていない子もいる。


ひょっとすると、英語は読めるようになることで発音が上達する、ということはないだろうか? ま、いずれは彼らも文字が読めるようになって、発音も同じように上手にできるようになるのだけれど、文字を教えてみるのも興味深いことかもしれない・・・(ほとんど独り言)。

Wednesday, October 12, 2011

バディ制度

今日、幼稚園に迎えに行ったとき、向こうから年上の女の子がやってきて「Hi Eric, how are you?」と言った。エリックは「Fine, thanks」と言って答えていたので、すかさず私は女の子に向かって、Oh, you know Eric?と聞くと、彼女、Yes, he’s my reading buddy! と答えた。


Reading buddyという言葉は、エリックがチラッと教えてくれていた。エリックの説明ではあまりはっきりと分からないのだけれど、どうも1週間に1度、G2(グレード2、2年生)の子どもたちがキンダーガーデンに来て、一緒に本を読むのだとか。エリックのReading buddyは「女の子が2人と男の子ひとり」だと教えてくれた。


このバディ制度、とってもいいアイデアだと思う。グレード2の子どもたちは、下の子に本を読んであげることで、読む練習になるし、何より自分がリーダーであり、ロール・モデルになっているという感覚に押されて、がんばって読むだろうから。一方では、エリックのような幼稚園児は、年上の子がやってきて、本を読んでくれるのだから、自分も早く読めるようになりたいと思うことだろう。


そういえば、このバディ制度というのは私の通っていたカレッジでもあった。2年目の学生が1年目の学生とバディになって助け合ったり、ESL学生と英語ネイティブ学生がバディになったり、カナダ社会でも、移民10年以上が新移民とバディになったりしている。恐らく、カナダの学校や社会ではお互いが学びあうことのできる、このバディ制度は一般的なのだろう。とってもよい制度だと思う。


エリックは読んであげる人がいないので、もっぱらぬいぐるみをいくつも並べて、自分はベッドの端に腰掛けて本を読んであげるふりをしている。読んでいる、というのは違っていて、絵を見ながらお話を作ってしゃべっているだけなんだけどね・・・。

最近の様子(4歳4ヶ月)


お友達と遊ぶのが何より楽しいらしく、以前は私がデイケアに迎えに行くと「マミイ~」といって抱きついてきたのに、最近では私を見ると「あっ!」という顔をして、You don't have to come so early because I want to play with my friendsなどと言ったりする。何という変化! キンダーガーデンのShow and Tell、体操の時間が好きらしい。


・主要言語は引き続き英語
・私とエリックの会話は私(日本語)エリック(英語+少しの日本語)で、私の言う日本語はほとんどすべて理解している(私と話すときは英語90%、日本語10%くらい。日本語の比率が減っている)
・私との会話で、短い文章は日本語を使う。反対に、長い文章や、複雑な文章になると英語になる
・日本語のお友達と遊ぶときには、日本語を話そうとがんばる
・コードミクシングが頻繁に見られる。英語で言ったことを日本語で言い直すケース、英語の文章のなかに日本語の単語を使うケースが多い
・英語は過去形、単数・複数形、代名詞、所有名詞などをおよそ正しく使っている。引き続き、比較級の使い方、If構文の時制に間違いが見られる。
・(英語)難易度の高いことばを意識的に使って、正しい使い方を把握しようとしている(最近はFocus, concentrate, migrateなど)
・数字を読む。6と9をまだ時々間違える
・10から20までの数え方を練習中(英語、日本語)
・バランスをとるのが上手になった
・いまだに絵らしい絵を描かない、というか形のないものばかり書いているが、きれいな配色で色を塗る
・引き続き水泳レッスン、ジム(体操)を習っている。トランポリンが何より好き
・「好きな食べ物は?」というと「おすし!」(巻き寿司)。酸っぱいもの(レモン、オリーブの酢漬け)、きゅうりも大好き
・自主的ベジタリアン(「チキンがかわいそうでしょ!」)。食べた後で「それ、魚よ」と言うと泣く

Saturday, October 8, 2011

3歳半から4歳半までにできること

「3歳半から4歳半までにできること」
(Invest in Kids Foundation, Years Before Five Resource Kitより)


どこかからもらってきた「子どもの発達の指標」みたいな資料を訳して、エリックの発達に関してコメントを付記してみたい(エリックは現時点で4歳3ヶ月)。

社会性
・いっしょに共有するという概念がわかりはじめる
・友達のひとりにより強い関心を示す  A
・ルールのあるゲームを楽しむ
・性差に興味を持ち、他の子どもの前で服を脱いだりすることもある
・他の子どもたちといっしょの演技に興味を示す
・順番を守る
・お昼寝がなくなる

コメント
A・・・ そういえば、確かに最近Friendという言葉をよく使っている。Sunny is my best friendとかMy friends are… とか、気に入らないときにはYou are not my friendとか言う(これはデイケアで観察していると子どもたちの間でよく聞かれる)。エリックの好きなお友達も数ヶ月ごとに変化していて、最初は女の子ばかりだったのが、最近は男の子のお友達が増えている様子。


ことば
・ことばで遊び、新しい言葉をつくる
・平均2000語を使える
・仮定的、仮想的な文章をつくる  B
・否定形が使える(”I don’t want to go”)
・「上」と「下」が分かる
・歌のようなものを口ずさむ   C
・複数形が使える

コメント
B・・・ 3歳ごろからよく「Imagine you are…」とか「Suppose this is an airplane…」とかいう言葉をよく使うようになった。今気付くと、最近はあまり聞かれなくなっている。

C・・・ いつも歌っている感じ。歌、というのでもなく自分でつくったデタラメな音。ヘンな音・・・。




認知
・形を6つ言える(星、三角、丸など)
・「最も近い」と「最も長い」が理解できる
・最近あった出来事を思い出す    D
・現実と空想の違いを理解できる
・5まで数える       E
・「もの」と「生きているもの」の区別がつく


コメント
D・・・ 確かに以前に比べると、数日前とか数ヶ月前の出来事などをよく覚えている。ふっと口に出したり、聞かれたらI remember itと言うようになっている。でも、赤ちゃんのときのことの記憶は全くない様子。


E・・・ エリックをはじめ、たくさんのJKキッズが10までは数えている。エリックの場合、今、15くらいまでは数えられるのでは? この「5」というのは少なすぎない? 昨日は5歳になったばかりのサシャが100まで数えていた!

感情
・不満や怒りを以前より上手にコントロールできる   F
・ポジティブな自己評価をもち、自分や自分のすることに自信をもっている
・空腹、疲労、気分の悪さなどの感情をことばで表現できる   G
・親の言ったことにだいたい従う   H
・20分ほど何かに集中できる    I
・家族に対する強い関心と愛情を示す   J
・難しい仕事を長時間がんばってする


コメント
こうして見ると、他のカテゴリーに比べて、エリックの成長が最もよく見られるのは、この「感情」面であるらしい。
F, G・・・ 以前は「できないこと」があると「マミイ~、手伝って~」と泣いていたのが、最近はI am frustratedとか、怒ったときはものに当たるのではなく、大きく深呼吸をしてI’m angryと言ったりしてコントロールしている。深呼吸は夫が教えたのだろうけど、ときどき「あのね~」「いい加減にしときや」という感じのときにため息をつくエリックの癖は私のがうつったのかも・・・。


H・・・ エリックは空腹時、疲労時でない限り、私たちのお願い、言いつけをよく聞いてくれているが、それは今に始まったわけでなく、ずっとそうだったような気がする。


I・・・ そういえばそうだ! 粘土やクレヨンを渡すと、自分で30分くらいは集中して遊んでいる。でも、いちばん集中力が続くのは、ミニカーで遊んでいるときだ(何が楽しいのか私には不明)。


J・・・ 最近、これがすごい。突然、私のところに来てI love this Mommy very muchとか、I love Mommy, I cannot hundle itとか言う。ハグしたり、ブチュっとキスしたり、「好きだよ~」と言ったり、夫にも同じ。そんな様子を観察していると、何となくエリックは突然そうした感情が沸き起こってきて、それを包み隠さず表現している、といった感じに見える。


運動能力
・爪先立ちで3メートル歩ける
・狭いところもバランスよく歩ける
・ぶつからず自転車に乗れる
・投げたり取ったりするゲームを楽しむ
・リズムに合わせて身体を動かしたり踊ったりする    K
・左右の足を交互に出して階段を降りられる
・おじゃみのようなものを狙いを定めて投げる

コメント
K・・・ なぜか、エリックはハード系の音楽が好きらしい。お店で、メタルとかハードロックの音楽が流れているところでは身体をブンブン動かしていたりする。周りからよく笑われている。


指先の運動
・大きくて簡単なジグソーパズルができる
・はさみが使える
・大きな画用紙に大きめの筆を使って絵が描ける
・3部門からなる人間が描ける   L
・粘土が使える
・紙を折ることができる


コメント
L・・・ これだけが唯一できていない。人間らしいものなど描いたためしがない。エリックがお絵かきをするときは、色を混ぜて適当に塗る。確かに、この年齢の子は形のあるもの(人間とか家とかお花とか猫とか)を上手に描いているわ・・・。抽象画専門。

Tuesday, October 4, 2011

Show & Tellとパブリック・スピーチ


毎週月曜日は、エリックがShow & Tellをする日になっている。今まで、噂には聞いていたし、デイケアでも少しやっていたようなことも聞いていたけれど、ついにこのShow & Tellで「カナダ式教育」と対面した、という感じだろうか…。

念のため、Show & Tellはグループの前に出て、持ってきたアイテムをみんなに見せながら、それにちなんだ話をする、というもの。北米人は「パブリック・スピーチ(みんなの前に出て話をすること)」を非常に重要なスキルのひとつだと思っている。そして、すでに4歳のときからShow & Tellを通してこのスキルを練習することになるわけ・・・。


エリックはシャイなくせに、このShow & Tellが好きらしい。エリックが「次は何を持っていこう」とあれこれ探しているのを見ると可笑しい。


練習には夫が付き合っている。4つほどの文章なので簡単だと思われるが、夫によれば、まず第一段階目はみんなの前に立って話すのに慣れること、が目標らしい。それから、だんだんと読むスピードやアイ・コンタクトなど、もっと上級スキルを学んでいく様子。


私が言うのもおかしいのだけれど、夫はパブリック・スピーキングが極めて上手である。これは、講義やチュートリアル、ディスカッションなどをする際にとても役立っている様子。一方、私は書くのは得意だが、従来、話すのは苦手。ただ、カレッジ時代にSpeaking with Confidence(自信をもって話す)コースを受けて、話し方のコツはわかったし、これは明らかに習得可能なスキルなのだと気付いた。


パブリック・スピーチというスキルの大切さは、私もトロントに住むようになってから日に日に実感している。何よりもそれを感じるのは、政治家による討論だろう。オバマの大統領就任演説を聴いた多くの人が感動したと思うが、政治家の資質としてパブリック・スピーチのスキルは最も大切なものに違いない。非論理的なことを何よりも嫌悪する私にしてみれば、日本のテレビでプロも素人もやってる「討論」なんて討論ではなく、幼稚、稚拙な話の域を出ない。


日本の学校教育でも、小さいときからパブリック・スピーチを含めたコミュニケーション能力を真剣に育成していく必要がある。・・・というのは、もう何十年の前から教育現場では言われていた。しかし、それを指導できる人がいないのが本当は問題なんだろうけれど・・・。

Monday, October 3, 2011

テリー・フォックスとロシャ・ハシャナー

先週の金曜日(9月30日)、JKにエリックを迎えに行くと開口一番、エリックがこう言った。

「マミイ、今日、りんごとハニー食べたよ」

りんごとハニー?

りんごとハニーという組み合わせに、何か意味がありそうではないか。と思って、ふと気づいた。その日は9月下旬。ユダヤ教の新年、「贖罪の日」とされるヨム・キッパーの前のロシャ・ハシャナーについて教えてもらったのかもしれない。ユダヤ教は奥が深くてよく分からない(ミステリアスな)ことが多いのだけれど、以前、大学で勉強していたとき、2人の教授がこの時期のクラスをどちらもキャンセルしたのだが、その理由がこのユダヤ教にとって最も重要とされる期間なのだというのは後になって教えてもらった。

それで、エリックに「どうしてりんごとハニーなの? 何か先生に教えてもらったの? お友達?」と興味津々で聞くと、いつものように「うーん、わかんない」の答えが返ってきてガッカリ。



しかし、先日は「テリー・フォックス」についてJKで教えてもらったみたいで、そのお話をちらっとだけしてくれた。テリー・フォックスはカナダ人なら知らない人はいないほど有名だが、彼のエピソードが幼稚園で教えられている事実、さらにはユダヤ教の一面を教えられている事実に直面して、エリックは私の手を離れて、トロント市教育委員会のカリキュラムに沿って「カナダ人」として教育されているのだと改めて感じた。これって、すごく新しいことではないか! 私はトロント市教育委員会が示している方向性については基本的に問題はない。でも、実際にどういう方法でこうしたマンデートが実行されているのか、など、詳細はよく知らないから、私もそれを通してカナダという国について学べるはずで、今後が非常に楽しみである。

JKで何をしているのか?

JKに行っている間、エリックは何をしているのか。


それがどうもよく分からない。エリックに聞くと、「うーん、忘れた」とか「うーん、わかんない」とか、It was so fast that I don’t remember anything!とノンシャランな感じで言うのは困ったことだ。

ただ、時々、まったく脈絡もなく、「マミイ、エレクトリシティってどうやってつくるか知ってる?」なんて聞いたりするので、こういうときは幼稚園の影響を感じたりする。

先生に聞いてみようとも思うけれど、いつも忙しそうにしてるから聞けずにいる。ま、単なる好奇心から知りたいだけなのだけど・・・。