Friday, September 14, 2012

「学校が楽しい!」

子どもが「学校に行きたくない!」と言うのを聞くと、親としては何ともやりきれないということは、私も身を持って体験した。保育所に行っている間、エリックはほとんど毎日のようにそう言った。まあ、そうは言っても泣いてダダをこねるわけでもないし、保育所でのエリックの様子を見ると特に心配することはない、と思っていたが、最後まで保育所に馴染めなかったのは事実である。

今年の夏はよくソフトクリームを食べたね


私が判断するに、その理由の最も大きいものは、エリックが保育所を「安全な場所」だと最後まで思えなかったことだ。エリックの行っていた保育所では子どもが友達を蹴ったり、叩いたりしていても、先生がやった方も、やられた方もなだめすかして何とかその場を取り繕う、というやり方が取られていたように思う。トロントで4歳まで育ったエリックにとっては、こういう場合には先生が必ずお互いから話をきちんと聞くことで原因を追究し、相手を傷つけた子どもに分かりやすく何故その行為が悪いのかを言い聞かせるのが当然なのだ。



子どもだからきちんとこういうことを説明することはできないけれど、エリックは時々、「なんで叩いた子が謝ってないの?」というような質問をして、その疑問を私にぶつけていたんだと思う。



私は子どもがその年齢相応の刺激のなかで知的に学ぶことができるためには、何よりもまず環境における安全性が確保されていなければならないと信じている。子どもがびくびく何かに怯えていたり、不安を感じたりしている状態では、真の学びなどありえない。そういう意味でも、エリックが行っていた保育所は私たち親にしてみればエリックにとってためになる場所ではないという気持ちを徐々に強めていった。



さて、今。エリックは毎日楽しそうにKISに行っている。金曜日の夜に「学校に行きたい!」と言ったり、夕食のときにその日にあったことをいろいろと楽しそうに話してくれる様子を見ると、親としては本当に安心できるし、何よりうれしい。



子どものしつけに関しては、日本は北米に比べると驚くほど遅れている。「しつけ」というのは、将来、子どもたちが責任ある社会の一員になるためのルールを教えることである。この私の印象は、何もエリックが前に行っていた保育所だけに限った話ではないと思う。概して、そういうしつけを親は家でもしていないようで、このあたりを変えると日本社会は変わるんじゃないかと思うんだが、どうなんだろう。

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