Monday, August 8, 2011

「しつけ」をめぐって

数日前のこと、エリックとお友達のサニー、サニーのおじいちゃん(モンゴル出身)と私で一緒に散歩に行った。途中、サニーは突然(のように私には見えた)、泣き出して、大声でわめいていた。サニーのおじいちゃんはいっしょうけんめいなだめていたが、ふと見ると、サニーはおじいちゃんの腕をガブリと噛んでいた。私はとっさに駆け寄って、サニーの目の前で、
Sunny, no biting. Biting is not good. We never bite people!
と言った。サニーは、
I am angry. I am very angry.
と大きな声で言って私をにらんでいた。
Sunny, it is OK to be angry and it is good that you identified your feeling. Still, biting is not good.
私はそこで繰り返し「噛んではいけない」ことを伝え、サニーが怒っている原因を知ろうとしたが、結局、彼にもなぜ怒っているのかよくわからないのだと感じた(エリックもそういうことがある)。
Sorryと言ってほしかったが、それも言えず。おじいちゃんの腕にはくっきりと歯型がついて赤く腫れ上がっていた。相当強く噛んだように見えた。しかし、気になるのは、私にはサニーのおじいちゃんはサニーが噛むのにまかせていたように見えたこと。そして、そのあとは、サニーに対しても私に対しても何もなかったように振舞っていたこと。

私は今も学校で教えていたときの経験が染み付いていて、知らない子どもでもMisbehavingしているとお節介にもちょっと言葉をかけてしまう。サニーの場合も、私はエリックがしたらするであろうという対応をしてしまった。でも、後から考えると、サニーのうちには彼らのしつけの仕方があるのだろうし、私がしゃしゃり出てしまったことで、サニーのおじいちゃんの感情を害していないかちょっぴり気になった。ただ、サニーはそのあと、私の手を取って一緒に遊ぼうとしたり、私に何か見せてくれたりしていたので、子どもは何とも思っていないのだと思い、それだけは安心だった。

帰ってきて、もちろんサニーの母親に電話をして、事の顛末を話した。彼女は、おじいちゃん(彼女のお父さん)から何も聞いていなかったようで驚いたが、I really appreciate what you have done. I would have done the same if I were presentと言って、こんな話を始めた。

彼女は父親とはちょっぴりサニーのしつけの仕方に関して葛藤があるらしく、彼女は、サニーが叩いたり、ものを投げたりするときは、きちんと「いけない」と教えるのだという。しかし、サニーはすぐにおじいちゃんのところに走っていき、おじいちゃんはサニーをかばってあげるらしい。何度も「大きくなってからでは遅いから、今のうちにきちんとしつけをしておくべき」と言っても、おじいちゃんはサニーがよほどかわいいのか、絶対に叱ったりしないし、叩かれても蹴られてもやられるままになっているという。

祖父母にとってはかわいい孫には違いない。しかし、サニーの母親はこうしていけないことをいけないといわれないで育てば、将来、もっと大きな問題が出てくるだろうと心配している。子どもにとって、何よりも混乱するのは、まわりの大人が同じメッセージを送らないことに違いない。一方の親が叩くのをOKとして、もう一方が厳しくNO!と言っても効果はない。そのため、家庭では同じメッセージを繰り返し伝える必要があると思うけれど、サニーの母親はこの件で非常に苦労しているようで、とっても気の毒に思った。

「で、エリックは叩いたり、ものを投げたりすることはあるの?」
とサニーのお母さんは聞いた。
もちろんですとも! エリックは噛むことはないにしても、たまに私や夫を叩くことがある。もちろん、力任せにはやっていないし、叩こうとしてやめることもよくあるので、「やってはいけない」ことはよく心得ている。私と夫はこの行動を絶対に許さないし、その度に「叩いたり、ものを投げたりしてはいけない」というルールを、また、「感情をコントロールする」ことの大切さを繰り返し教えている。根気よく、同じメッセージを繰り返し伝える以外に、私には方法は考えられない。

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