今日、スパダイナ駅でベンジャミンと彼の両親ばったり会った。トロント大学のレジデンスに住んでいたときの知り合いで、キャンパスを散歩しているとよく一緒になってよく話をしていた。
3歳になったばかりのベンジャミンは相変わらず思慮深い表情で、フレンチ・カナディアンのお母さんとはフランス語を、中国系のお父さんとは中国語を話していた。訊けば、デイケア(託児所)では英語を・・・、と3カ国語を使い分けているらしい。
「エリックの日本語はどう?」
「語彙はどちらかというと日本語の方が多いみたい。でも、おかしいのは・・・」
と言って、私はエリックが夫の英語アクセントの混じった日本語を話す様子を説明しはじめた。すると、ベンジャミンのお母さんは真顔になって、
「うちも同じよ。だから、夫にはフランス語でベンに話さないようにって言っているの」
と言った。
エリックが、たとえば「耳」という単語を言うとき、最初のミは強く、次のミは弱く、私には女性の名前「Mimi」に聞こえる。他にも同じようにアクセントが日本語としては不自然な単語がたくさんある。しかし、私はそれほど気にしてはいなかったが、ベンジャミンのお母さんは「間違ったアクセントを教えないためにも母国語だけを話すべき」と強調した。言語学の博士課程にいる彼女の言葉はかなりの説得力を持って私の耳に響いた。
帰って夫にそのことを話すと、「フレンチは発音の美しさにはうるさいからね」と言っていたが、「そういえば・・・」といってこんな話をした。幼稚園の先生をしている知人の隣人は韓国出身の3人家族。カナダに移住してから、両親は3歳になる子どもに英語を教えるために、家では英語を使っていたらしい。今年6歳になるその子どもは、今でも強い韓国語アクセントのある英語を話すそうである。
エリックに正しい日本語を教えるためには、夫は英語のみ、私は日本語のみで話しかける必要がある、と、私も以前、パブリックナースのシャーリーに言われた。しかし、簡単なように聞こえるが、実際、それは難しい。私は気付いたら「You are such a good boy」とか「Wow!」とか言っている。夫も無意識のうちに「暑いね」「本は棚に戻して」などと言っている。1親1言語を貫くのはそんなに簡単ではないが、これからは意識して日本語だけを使おう・・・。
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