カレッジのプログラムを終えずに産休に入った私は、エリックが生まれてからというもの、頭の隅にはいつも「いつカレッジに戻ろうか」という問いがちらついていた。カレッジのクラスメイトが「出産おめでとう!」のメールを送ってきてくれたときは、迷うことなく「1年後には戻るつもり」と返答していたのもだが、1年経つころ、その決断がぐらついてきた。
まずは、エリックの一生のうちでいちばん成長が目覚しいとされる時期にいっしょにいてあげて、いろんなことを見守ってあげたいという気持ちが大きくなってきたこと。しかし、それよりも大きかったのはこの時期に1日で起きている時間の大半を英語環境であるデイケアで過ごすことで「日本語の習得」が難しくなるのではないかという疑問だった。
デイケアには2歳から入れたいと考えていた夫も、最終的には私が学校に戻りたいなら1歳でも構わないとサポートしてくれた。結局、私が決断する必要が出てきた。プロのドゥーラである友人ドミは親身に私の相談に乗ってくれ、個人的意見として「切迫した必要性がないなら、もう少し待つ方がいい」と言った。私がカレッジに戻るのが1年遅れたとしても、大して大きな問題ではない。しかし、エリックから1年間、日本語習得のチャンスを奪うのは彼の一生にかかわる問題ではないか。迷いに迷った末に、そう考えた私は、カレッジに戻るのを1年延期する決断を下したのだった。
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