Monday, January 2, 2012

フレンチ・イマージョン・プログラム

12月の末に幼稚園でもらってきたプリントは、フレンチ・イマージョンに関するものだった。そのプリントには、「フランス語のプログラムという選択肢があります。シニア・キンダーガーデン(年長組)は、子どもが初期イマージョン・プログラムを始められる唯一の時期です」とある。


「フレンチ・イマージョンとは?」をちょっと翻訳してみよう。

・初期イマージョン・プログラムは、フランス語を家庭で話さない子どもを対象としています。
・初期イマージョン・プログラムは、公立学校では最大限のフランス語環境を提供します。
・初期イマージョンは、シニア・キンダーガーデンから始まります。グレード3(3年)まで、体育をのぞき、すべてのクラスがフランス語で行われます。
・英語はグレード4から1日1時間から徐々に導入され、グレード6では、半分が英語となります。
・グレード8(中2)以降は、特定の中高等学校でフレンチ・イマージョンを継続できます。
・高校までのフレンチ・イマージョン・プログラムを終えると、Certificate of Bilingual Studies in French Immersionが授与されます。


フレンチ・イマージョンはフランス語と英語を公式言語とするカナダ独自に開発されたプログラムであると聞く。初期イマージョンは、フランス語ですべての教科を教えるため、英語でフランス語を学ぶ(つまり、第二外国語として学ぶ)のとはまったく性質が違っている。


私はどちらかというとフレンチ・イマージョンに興味があるが、夫は反対である。彼の意見は「まずは日本語をしっかりさせて、フランス語をするなら小学校後期から第二外国語として学べばいい」。


私の知り合いに、家庭の使用言語は日本語で、初期フレンチ・イマージョンに行かせている家庭がある。夫はこの子どもたちに英語で話しかけたとき、英語での反応が悪かったのを見て、初期フレンチ・イマージョン反対の立場を強くしたように思われる。


確かに、家庭での使用言語が英語の場合、初期フレンチ・イマージョンは理に適っている。環境言語(Dominant=主要)の英語、そしてフランス語を同時に学ぶことができるから、バイリンガル教育にはもってこいである。


しかし、私たちのように家庭の使用言語が日本語と英語、という場合はどうなのだろう。日本語と英語の基礎をまずしっかり教えて、優先順位の低いフランス語を少し大きくなって学ぶ、という夫の立場も私には十分理解できる。モントリオール生まれの夫は、その後期フランス語プログラムで十分フランス語を習得してきている。


とにかく、バイリンガルで育てている親が何よりも避けなくてはならないのは、どちらの言語もまあ出来るけれど、どちらとも文学を書いたり理解したりする程高度に発達していない、という状況だろう。エリックの場合、現時点では英語が主要言語になっている。私もどちらかというと、夫の意見に賛成であり、小学校後半になってフランス語を始めるなら始める(始めないかも)、というところで落ち着きそうである。


ちなみに、なんで日本では英語イマージョンをしないんだろう。英語の授業はすべて英語で受ける、というのを週に2時間でもすれば、必ず効果は出ると思うのに・・・。

2 comments:

  1. >なんで日本では英語イマージョンをしないんだろう。英語の授業はすべて英語で受ける、というのを週に2時間でもすれば、必ず効果は出ると思うのに・・・。

    小学校や中学校初期の「遊び感覚」の授業に英語イマージョンを導入することには賛成ですが、それ以上だと英語を英語で教えることができる日本人教師が少ない故、授業の質が落ちてしまうのではないかと心配です。

    私は今、大学4年生ですが、教育学部の友人からは英語教師の採用枠は極めて少ないと聞きます。流動性のない教師陣では新しい制度を導入することに積極的ではないことも考えられます。

    ただ、英語の講義のみで学位を取得出来る学部を導入する大学も出てきました。(受入留学生を増やす目的ですが。)

    もし英語イマージョンを導入するとなれば、まずは教師陣の改革が必要となり、本格的な導入までは相当な時間がかかりそうです。

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  2. コメントありがとうございます! 私も英語を英語で教えることができない日本人英語教師によるイマージョンには反対です。なので、Rieさんが書かれているように、教師の改革がまず必要だというのは理にかなっていると思います。

    英語で英語の授業ができる日本人教師は、従来の教師採用のやりかたでは引っかかってこないだろうという気がします。このあたりも、さらには大学での教育学部の課程も変える必要があるので簡単にはいかないと思いますが、この問題はもう20年以上も「問題」とされながらそのままにされてきています(英語教育を専門とする学者たち、専門家は何をしているんでしょう?)。

    すべての学校で、とは言いませんが、英語イマージョンは教師の質さえ確保できれば各学校が独自に取り組めるでしょう。

    Rieさんのメールを読んで、いろいろと書きたいことがでてきましたので、また改めてまとめます。貴重なコメント、ありがとうございます!

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