Sunday, May 22, 2011

日本語の回線と英語の回線

最近、今までエリックに使っていないような言葉(日本語)も意図的に会話のなかに含めるようにした。

私自身の経験を振り返ってみれば、トロントに来て以来、知らない英語の単語に出くわしたとき、翻訳などで本当に必要な場合以外は、辞書というものを使ったことはほとんどない。そういう言葉は文脈から予想をある程度立てておくと、次に出てきたときにそれを確認することになり、英語1本で意味をとるようにしてきた。言い換えれば、日本語の辞書をひかないから、日本語を通して意味を取るということがない。その方が何となく意味が広がるように感じられるし、実際にその単語を自分で使いやすいということにも気付いた。

それもあって、エリックとの会話のなかに今まで知らない言葉を意図的に入れ、それを繰り返し使うというやり方の効果を見てみたいと思っているのだ。子どもも辞書を引かないのは同じなので、きっと何度も繰り返されるなかで「こんな感じの意味ではないか」との予想を立ててゆくのだと思う。その過程が、語感を豊かにしたり、想像力を鍛えたりすることに役立つのじゃないかしら。

ときどき、エリックは「それ、なに?」とか、たとえば「はずれる、ってなに?」と聞くこともある。そのときは英語を使わないようにして、日本語だけで説明し、なるべく例を挙げてみる。こういう言葉はできるだけ繰り返し使うようにして、しばらくたってまた「はずれるっていうことば、知ってる?」と聞いてみると、覚えていることが多いのだが、エリックはほとんどすべてそれらの言葉を英語にして説明している。「That means “come off”」とか言う。私は英語では教えていないので、エリックの頭のなかでは、日本語の回線と英語の回線がひょっとすると2本できておらず、1本なのかもしれない、と思って少し気がかり。バイリンガルなら2本の回線があるはず、と本では読んでいるので、実はこのあたり、専門家の意見を聞いてみたい。

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