Wednesday, September 30, 2009

2歳のことばを解剖してみる。

昨日、夫がいつものようにディナーのときに
  -What did you do today?
と訊ねたところ、エリックが返した返答は・・・

  -マミー キッチン おりょうり Me ねんね わんわん

実際に状況を見ていた私が訳をすると・・・
  -マミー(が)キッチン(で)おりょうり(していた間)、わんわん(といっしょに)ねんね(してた)

私が料理していたとき、エリックはあそぶのに飽きてひとり、ベッドからわんわん(犬のぬいぐるみ)をもってきて、一緒に床の上に横になっていた。それを伝えようと思って言ったことばだが、かなり正確なので驚いた。もちろん、助詞やら助動詞やらが抜けているので、しっかりした構文はつくられていないにしても、複数の名詞から状況を知っている私なら理解できる。

ふと、これを英語にしたらどうなるのだろう、と思ってみた。きっと次のようになるだろう。
(While) Mommy (was) cooking( in the) kitchen, I lay (on the floor with) Wanwan.
副詞も助詞も前置詞も冠詞もないので不完全ではあるものの、これも使っている単語が多いため、意味がとれないこともない。ワオ! こうやって、だんだん完璧な文章に近づいていくのね・・・。

最近よく使う言葉

最近よく使われることばといえば・・・
   Me busy now.
   Me working.
   Me computer する。

たとえばボールで遊んでいたり、並べ替えをやっていたりと、何かやっている最中に呼ぶと、こう言う。夫によると、夜、夫が机に向かっているとき、エリックが邪魔にやってくると、Daddy is busy now. Daddy is working now.と言っているから、それを繰り返しているのでは?ということである。

以前に比べて何かに集中して遊んでいることが増えたE。Me busy nowという言葉はそれをよく表しているかも・・・。

Sunday, September 27, 2009

Goodnight Moonが姿を消して・・・

大変! 大変! 眠る前のりチュアル、Goodnight Moonがなくなってしまった。昨夜、いつものように照明を落として、「ほら、これから何するの?」というと「Goodnight Moon、よむ」と言う。たしかここにあったはず、とベッドサイドの本棚を見るが、あれ、どこかに消えてしまっている・・・。もう、これから寝るだけなのに・・・。リビングの本棚を探すが、ない。夫に聞くと、「そういえばコーヒーテーブルの上にあったね」。

ま、ひょっとして! 昨日、友人フランシスとサニーがディナーに来る前、新聞の山をリサイクルしたからそのなかに紛れ込んでしまったのかも知れない。うーん、困った。後ろで「Goodnight Moonない、どこ?」と言っているエリックが、これからすんなり眠りにつくような様子は皆無!

ふむ。ここはdistructive作戦で行くべし。
「ほら、また明日出てくるから、今日はYou Can't Rush a Catを読もうね。ほら、みや(猫のこと)が隠れてるでしょ、どこにいる?」
と言いながら、ページを開ける。最初は「Moonないない」と言っていたEも、しばらくするとみやに心が移ってしまって、嬉々としてねこのイラストをなでなでしている。マミー、またもや作戦成功。Eってほんと、こだわりがないから扱いが簡単・・・。

今日のところは何とか乗り切ったものの、Goodnight Moonはエリックのねんねタイムには必携なので、明日は本屋に行きましょうかね。私だって、実のところ、Goodnightのバニーが姿を消したとなるとちょっぴり心許なく感じてしまっている。やっぱりすごいMargaret Wise Brownの本!

Thursday, September 24, 2009

文字を認識し始める

考えてみれば、文字も形であって、星の形やハートの形に興味を持つ子どもたちが文字に興味を持つのも当然の成り行きと言えるだろう。

エリックの場合は、お決まりお散歩コースのMt.Pleasant Cemetary(共同墓地)のベンチに書かれている「TO ANNE A SPECIAL ONE」というのが始まりだった。ときどき緑のベンチでスナックを食べていた私たちだが、ある日、エリックがそこに書かれたその文字に気付いた(写真)。そして、ふたつの「O」を指でたどりながら、「おんなじ」と言った。同じものを探すのが好きなEのこと、「A」と「E」に関しても同じ文字を見つけるようにと言うと、少し時間はかかったもの、どうにか探してきた。私たちのように文字に意味を付加できないEにとっては文字も単なる「形」として映るに違いない。

この経験から、この時期、アルファベットを教えるのも、あるいは日本語のひらがなを教えるのも無理じゃない、とふと思った。ニルダに以前聞いたところ「It’s not too early to teach alphabet」と言っていたし・・・。でも、私の直感としては、まだ文字を教えるには早いと思うので、そこまではしない。ただ、形としてなら楽しめるかも・・・。そう思って「空」と「豆」と「木」という漢字キャラクターを何枚か書いてエリックに見せてみた。これは難しいみたいで、同じ漢字を集めることはできなかった(私の殴り書きの文字、たしかによーく見てみるとはねてあるところとないところがあったり、正確さという意味ではかなりあやしい。タイプしてある文字の方が簡単かも。今度、試しにやってみよう)。

こうして「O」を認識したE、その後、あちこちに書かれたものを見て「O」を探してきては、「マミイ、マミイ、Oあった」と走って持ってくるようになった。私が持っている日本語の文庫版のなかからも(私にはめがねがないと見えないくらい小さな)「一〇五〇-三四〇」みたいなカタログ番号の漢数字「〇」をアルファベットの「O」と思って持ってきたのには笑ってしまった。
そんな感じでObsessed by Oといった状況にあるE、それからは、ひとり本を開いてはじーっと見ている時間が増えたように思う。書かれた文字に対するAwarenessが高まっている証拠だろう。

Monday, September 21, 2009

Goodnight Moon(Margaret Wise Brown)

1947年に出版されたMargaret Wise Brown/マーガレット・ワイズ・ブラウンのクラシック。図書館で借りてきて、離せなくなってしまったので本屋さんで買ってきたほどのお気に入り。眠る前にこの本を読むのが習慣になっていて、Eもこの本を持ってくると反射的にあくびをしたりする。

絵本を読むようになって分かったことだが、本当にすばらしい絵本というのは何度読んでもあきないもの(子どもはもちろん、大人も!)で、Goodnight Moonは明らかにそのクライテリアを満たしている。もう1年にもなるが、私も毎晩楽しく読んでいる。

ストーリーというより、バニーが部屋のなかのものにひとつずつ「おやすみ」と言っていくだけなのだが、「And two little kittens And a pair of mittens」とか「And a little toyhouse And a young mouse」など、韻が踏んであるので読みやすいし、子どもにとっても詩を覚えやすい。

さらに、この絵本の面白さは、Clement Hurdの赤と緑を多用した独特な絵にもある。エリックはカラーページのなかの「Little mouse」を探すのが好きで、今では私より早く探して喜んでいる。さらには、ページが進むにしたがって時計の針がどんどん動いている事実にも気付かれるだろう(エリックにはまだちょっと早いのでおあずけ)。他にもページごとに本棚の本が違っていたり、月が移動していたり・・・、そんな細部を見ていくと、実に実に毎晩読んでも飽きない本なのである。

日本語訳も出ていると聞く。どんなふうに英語の韻を日本語に置き換えているのだろうか。非常に気になるところである。

音程が取れるように(Twinkle Twinkle)

(2歳3ヶ月)
10日ほど前から歌を歌い始めたエリック。最初はひどい音程で夫と私はエリックが(かなり得意げに、そして嬉々として)歌っているときに顔を見合わせて「???」の表情を交し合っていたものだが、最近はちょっぴり上手になってきた。ま、私もかなりの音痴ではあるが、エリックと一緒に声を合わせて歌うと「ちょっとちょっと…」と思ってしまう箇所が3,4箇所あるけれど家族以外が聞いてもきっとTwinkleだとわかるはず。

さらには日本語バージョンもマスターし始めた。「きらきらひかるおそらのほしよ」と上手に言える。「まばたきしては・・・見てる」は練習中で、そこは「ままままままま」になっている。「マミーうた」と歌を歌ってほしがり、向上心もうかがえる。そして歌ってあげると、私の口元をしっかり見ていて、自分でも小さく口を動かしている(よく言われるように、歌を歌ってあげるというのは本の読み聞かせと同様に大切なInteractionなのだと改めて認識)。日本語バージョンを歌えるように来る日も近いはず。

同時に、フランス語の歌が入っている友人サラがくれた子ども用CDをずいぶん長く聞いているため、そこに入っているフランス語バージョンのTwinkle Twinkleもほんの少しだけ歌ってもいる。でも、私がフランス語では歌えないので、きっとこれはマスターとまではいかないだろうと思う。

しかし、歌を手に入れた子どもは幸せである! 「音を聞いて認識する」から「歌が欲しいときに歌える」という自由を手に入れ、ひとり窓の外を見ながらTwinkle Twinkleを(ときどき音程を外しながらも)幸せそうに歌っている姿を見ると、自分の世界に音楽があるとは何という幸せだろう!と思わされるのであった。

Friday, September 11, 2009

大(きな)ふとん?


以前、2歳半の子どもを連れたマミーと話をしているとき、「話し始めた子どもって、本当に面白いのよ。びっくりするようなこと、お腹をかかえて笑わせてくれることが頻繁にあるものよ」と言っていた意味が最近、よーくわかりはじめた。

自分の名前を「えびちゃん」だと思っているエリックも、ホント、笑える。
ここ数日の会話。
エリック (走っていてこける)
私 エリちゃん、大丈夫?
エリック (自分で起き上がって)だいぶとん

この「だいぶとん」最初は何のことか分からなかったけれど、「だいじょうぶ」というところが「だいぶとん」になっていることに気付いた。
同じ場面設定でも、「Are you OK?」と聞かれると「OK」と答えるが、「大丈夫?」には「だいぶとん」で答えている。脳裡に「大布団」の漢字が浮かび上がる私、笑いをこらえるのに必死である。

Sサウンドが出ていない‐心配すべき?

前々から気になっていたことだが、エリックはSサウンドが上手に出せない。50音を言わせても、さ行とは行がはっきりとしておらず、さ行は「あいうえお」に近く聞こえる。skyは「ウカイ」に、sandalは「アンダル」に、soundは「アウンド」にしか聞こえない。またchairのchもうまく出ていない。

トロント市が配布している「2歳までの言語発達のめやす」でも「他の子どもたちと交わろうとする」や「代名詞が3つ言える」の項目ではNoのチェックマークがついているので、「念のためスピーチセラピストに連絡してみては?」というのがパブリック・ナースのシャーリーの意見だった。

昨日、Toronto Preschool Speech and Language Servicesに電話をして、スピーチセラピストとのアポイントを取るための簡単な口頭口問をした。待ち時間は6ヶ月らしい。6ヶ月が経つころには問題も解消されているといいのだけれど…。

ところで、質問に答えていくなかで、ひとつ考えさせられた点があった。そういえば、エリック、私には日本語で、夫には英語で話しているわけではない。夫が英語で尋ねても、日本語で返すか、日本語と英語の混合文(文章ではないけれど)で答えている。ということは、未だにエリックは英語と日本語が異なる言語体系をもっていることを認識していないということになる。

一方では、「ダディ学校行った」「ラクーンねんねした」というような、ちょっぴり洗練された文章を作りはじめている。「食べた、食べない、食べ」というような活用も練習している。噴火が起こる前、外からは見えないけれど火山内部ではさまざまな動きが活発化しているように、エリックの脳のなかでも見えない進化が進行しているのであろうと思うとちょっと不思議な気分である。

Wednesday, September 9, 2009

自分の名前が言えた

いつになったら自分の名前が言えるのか…。長いこと待ちに待っていた私たちだが、昨日、ついに言った。

今までは「Me」が自分の名前だと思っていたのか、あるいは「名前」という概念がつかめなかったのか、自分の名前を発音するのが難しいのか、はっきりした理由はわからないが、「What is your name?」と聞かれても何も言わないか、「Me」というか、「ダディ」と笑いながら答えるか(みんなが笑うのを知っているから)だった。

私「ダディの名前は?」
エリック「ピーター」
私「マミーの名前は?」
エリック「ちえみ」
私「じゃ、これはだれ?」(指をさす)
エリック「Me」
私「Meの名前は?」
エリック「エリッ」
私「あ、言えたじゃない。もう一度言ってみて」
エリック「えびちゃん」

笑ってしまった。私はいつもエリックを「エリちゃん」と呼んでいる。夫は「女の子みたいに聞こえる」といってきちんと名前で呼ぼう、と言っていたものの、私につられて最近は「エリちゃん」になっていることが多い。なので、きっと「エリちゃん」と言いたかったのだと思うけれど、「リ」がうまくいえず「び」になってしまったのね…。それに「ちゃん」というのを名前だと思われるとまたまた厄介だわ…。

ディナーのときにダディの前でまた言ってた。
「Me,えびちゃん」
私もついついこのおかしな名前で呼んでしまいそう。

しかし、平均的に何歳ごろ自分の名前が言えるのか知らないけれど、エリックの場合、長い道のりだったことは明らかである。ま、とにもかくにも「えびちゃん」もMeからすればステップアップということにしておこう。

Friday, September 4, 2009

歌を歌った?



子どもはいつ歌を歌うようになるのだろう。
その私の疑問に、ホームビジター(要請があればトロント市が派遣してくれる子育ての専門家)のニルダは、「3歳くらいから」と教えてくれた。エリックが最初に歌うのはどの歌だろう? いつ歌うようになるのだろう? と楽しみに待っていたら…。

今日、もしかすると初めて歌を歌ったかもしれない。

歌詞は違っていたけれど、Twinkle Twinkle Little Starのようだった。
Twinkleはエリックの最もお気に入りの歌。エリックのお気に入りCD(私が料理をしているときに「自分で遊ぶ時間」という意味でかける)の最後に入っている歌で、これがかかるとCDプレーヤーの前に走って行って、上を眺めているくらい大好きなのだった。最初のメロディがかかるとすぐに分かる。また、ドロップインセンターでは、この歌に手遊びを加えていたので、それを見せてあげていると自分でも真似するようになっていた。

しばらく前から歌を歌ってあげるときやMother Gooseを読んであげるときに最後の文字を落として、意図的にエリックが言うのを待っていた。
Twinkle Twinkle Little ( )
How I wonder what you ( )
Up above the world so ( )
Like a ( ) in the ( )
Twinkle Twinkle Little ( )
How I wonder what you ( )
こうして( )のところで間を置いて待ってあげると、徐々に言えるようになってきた。

そのうちに、Diamond in the skyとかTwinkle twinkle little starといった長い句を言えるようになった。

そして、少し前から眠る前とか疲れてきたときなどには、歌を歌うように抑揚をつけながら「ベラベラベラ」と何やらしゃべっているのにも気付いていた(聞いててかなり可笑しくて、私は笑いをこらえるのが大変だった)。

そして、今日、突然。「ダングルダングルリトウター」みたいに聞こえたけれど、音程を取っていた。「エリちゃん、今、歌を歌ったでしょう! もう一回やってみて」と言うと、恥ずかしそうに笑って繰り返してくれないんだけれど…。

そういえば、英語の歌について、あるいはマザーグースについてはいろいろと書きたいことがあるので、またの機会に…。