Monday, December 28, 2009

Harry,The Dirty Dog(Gene Zion, Margaret Bloy Graham)

「チャーミング」のひとこと! Goodnight Moonもそうだけれど、古典はやっぱりよいもの。1956年の初刊以来、版を重ねてきた北米の子ども絵本ロングセラー。文章のリズムが上出来なので、エリックに数回読んであげただけでいくつかの単語をすぐに覚え、こっちが驚いたほど。遊んで汚れるのが好きだけれど、おふろが大嫌いなハリーは黒いぶちのある白い犬。さんざん遊んでどろんこになって「白いぶちのある黒い犬」になってしまったハリーは、おうちに帰るのだけれど、家族のだれもそれがハリーだと分からない。困ったハリーは自分で庭に隠したブラシを探しだし、バスタブに入って、洗ってもらおうとする。そして、めでたし、めでたし、ハリーはまたもとの「黒いぶちのある白い犬」になって、おふろ嫌いも何とか解消されたというストーリー。お母さんがエプロンをしていたり、機関車からもくもく煙が出ていたり、お出かけしている人が帽子をきちんとかぶっていたりと、絵のなかに時代が見て取れるのも私にはほんのり楽しい。ハリーの続編としてオリジナルに加えて他に3作品がある。どれも逸品だけど、私の大のお気に入りはこのオリジナルとNo Roses for Harry!(また今度絵本評にアップします)。

ぐりとぐら (なかがわえりこ+おおむらゆりこ)

日本で子ども絵本の古典というとこれでしょう! ストーリーは、問題解決(どうやってたまごを運ぶか? その代替案は?)ののち、お料理という創造的作業を通して、森の動物たちとのカステラ共有という形で「幸せの分配」で終わるというすばらしい展開となっていて、まさに物語の醍醐味が楽しめる。おまけに最後にはクイズまであって(「さて、このからでぐりとぐらは何をしたと思いますか」)その答えが絵で示されているところも心憎い。なかがわりえこ+おおむらゆりこの作品のよさのひとつは、絵に描かれているものが自然のなかに存在する、木であったりたんぽぽであったり、切り株であったりきのこであったりすること。とりわけエリックは自然のものが好きだから、こうした絵を眺めているだけでたくさんの自然のものと触れ合えて楽しんでいる様子。エリックが「どんな夢を見た?」とか「何が食べたい?」と聞かれると、「たーまご!」と答えるのは、この本の影響に違いないと私は見ている・・・。

Tuesday, December 22, 2009

発音が似ていることば

私が針を使っているのを見ているEに、「これははりって言うのよ」と教えてみた。
「言える?」
と聞くと、答えは、
ハリー/はりー
「違う、違う、はりだってば」
と、何回言わせても「Harry」にしか聞こえない(HarryはEの好きな絵本「Harry, the Dirty Dog」に出てくる犬)。 
そういえば、「銀行」と「Ginko(銀杏)」も発音が混乱してたんだった。
そのうち慣れてください・・・。

最近のことば(よくしゃべる)

「Me 大きい声 言ったね」
「Me びっくりしたね」
「Meこのまえベッドから落ちた」
「Me going up, up, up!」
「マミー 銀行 行ったね」
「えりたんも かぼちゃ 食べよう」
「ダディ まいにち 朝 起きない」
「Me cleaning table」
「I’m done」
「I like it」
「マミー かぜひきさんになってる」
「ねんねして あと 外 行こう」
「Come on ambulance こっち」
「Daddy going図書館 勉強する」
「よかったね、Fire truckあった 図書館の横に」
「ダディー リビング(ルームに)行こう」
「ダディ いま 図書館で 勉強してる」
「Me 外 見て(る)」
「Me 大きい 音 きらい Me 昨日 びっくりしたねえ」
「赤いCar とってちょうだい」
「だんだん 暗く なってきた」
「だんだん おなか いっぱい なってきた」
「ここにあった!」

Sunday, December 20, 2009

英語の発音がそれらしく聞こえるように・・・


以前は、英語の単語がそれらしく聞こえなかったE。ひょっとして私に強くアタッチメントしているEが(夫との会話は英語なので)私の英語の発音まで真似しているのでは?と、以前はそれがかすかに気になっていた(反対にEの日本語のアクセントもちょっぴりおかしかったりする)。

ところがところが。最近の英語の発音は、私の耳には間違いなくネイティブ並みに聞こえるようになった。「Big boy」のOはあいうえおではなくて、「Maybe not」のNotは弾けるように発音するし、「Cutting おそば」と言うときは、「カッティング」ではなくてカとクの間といった感じに聞こえるし・・・。


夫の意見を聞くと、夫も同感らしく、それにやはり自分の言語を上手に話し始めたEを見るとうれしいらしく喜んでいる。EもNative English Speaker並みに英語を発音できるのね!って、考えてみればEは一応ネイティブなんだけどね・・・。

笑わせてくれる

お昼寝の前にベッドに横になって本を読んでいる私の横へ来たEが、じーっと私の顔を下方から見ていた。しばらくすると、
「マミー、ひげあるね」
と言う。
「ひげ?」
と聞くと、鼻のなかに指を入れようとする。ちょっと、鼻毛のこと言ってるの? と笑ってしまった。

昨日は夫が顔をふこうとすると、逃げながら、
「ダディー バイバイ、図書館 行こう」
と言う。「行こう」は「行ってね」のことで、手まで振りながら、バイバイしている。
本当に話し始めた頃の子どもって面白い!

Sunday, December 13, 2009

日本語で厄介なのは②…

日本語を教える上で厄介だと思うこと、その②は言葉の「性」。
最近、エリックが言うのだ。
「Me (坂道)降りてるの」
「わんわん(が)ミルク 飲んでるの」
現在の英語には、言語上の「性差」はまったくない。フランス語やドイツ語のように名詞そのものが女性・男性という性を付されているのと違って、話法から話している人の性がわかるというのは日本語の特徴のひとつ。私(F)ひとりから日本語を学んでいるエリック(M)に、一体どんな影響が出るのだろう?
周りを多数の日本語話者に囲まれ、自らの「性」の意識があれば、いずれ無意識、あるいは意識的に矯正されていくだろうと思うのだが、日本語を話しているのが私ひとりとなると、それも難しいだろうし・・・。
実のところ、話法の女性化は、ほんのかすかにではあるが、夫の日本語にも見られたことがある。彼は「日本人パートナーがいれば当然!」と開き直っている。性差が言語にあらわれる日本語って、日本語を学ぶ人にとってはかなり厄介じゃありませんか!

Friday, December 11, 2009

最近の様子(2歳6ヶ月)

*しゃべるときは日本語が主体になっている
*英語で聞かれても日本語で答える
*一人で遊ぶときは必ず歌を歌っている(歌かどうか分からない歌を・・・)
*一生懸命、私の言葉を真似している
*よく言い間違いをしている
*所有格「~の」主語「~は」、助詞「~に」を練習中
*文字に興味あり。本を見ては指で辿りながら読んでいるようにみせかける(でも、こちらからはほとんど教えてはいない)
  認識できるアルファベットA, E, O, H, P
  認識できる数字 1、3、5、0
  日本語の文字は認識できず
*1~10まで日本語・英語で数えられる(7が抜けなくなった)
*1人称はMeだけだったのが、最近は「エリたん(エリちゃん)」とも言う
*ひとつのものを指して、日本語と英語の名前を言うことがよくある
*「きらい」が多い(好きなのに「きらい」ともいう)
*私とは話をするのが好きだが、外ではあまりしゃべらない
*髪を短くしたのに、(毎日のように)女の子に間違われる

Wednesday, December 9, 2009

時間のコンセプト

これまで「今からスナックを食べて、それから公園に遊びに行こうね」とか「マミーはお料理が終わったら、本を読んであげるから」というように時間に対する理解や今後の展望を持たせるために意識的に時間的な表現を伝えてきた(そして、こうすると「これが終わったら~する」という理解が育つため、「待てる」ようになるのでとっても便利)。

現在のEの時間に対する理解はというと・・・。
・過ぎ去ったことはすべて「昨日」と言う
・「明日」とかちょっと先の「将来」に関するコンセプトはまだない
・「このあと」「それから」「~してから」という言葉が「少し待てばいいのだ」ということは理解している
・「まだ」とか「もう」は時々使い方を間違える(「まだ起きた」)けれど、目下、理解しようといろいろと使って試している様子

言語習得の過程では、最初の段階では、単語、とくに名詞や動詞、そこから広がって形容詞や副詞などに広がっていくのだけれど、時間のコンセプトというのは、こうした語彙に比べると、かなり曖昧な概念といえる。目の前にないものを言い表すこと自体が曖昧であるし、記憶力や想像力などが育ってはじめてでてくる語彙であるともいえる。時間のコンセプトが身につくということはかなり人間的成長にとって大きなことなんじゃないか。計画したり、延期したり、自らの行動をコントロールできるようになる、というのが最も大きな利点だろう。

ここからは余談・・・。そういえば、アメリカの心理学者の実験、いわゆる「マシュマロ・テスト」ってのがあったわね。マシュマロを目の前に出されて、「私が帰ってくるまで待てるならマシュマロを2個あげるけれど、今欲しいんだったら、1個だけ」と言われ、「今」を選んだ子どもと「待つこと」を選んだ子どもでは、後者の方がその後、学校などでよりよい成績を収めるという実験結果が出たのだった。今回のトピックとは関係ないけれど、自分の行動を自分で選ぶというSelf controlがいかに大切かということをこの実験は教えてくれていると思う。そして、Self controlはすでに2歳ごろから教えられると私は信じていて、それは子どもに「自分で自分の行動を選ばせる」と見せかけて、親がよりよい行動を取らせるように陰で導く、というプロセスで可能になると思っている。

ドロップインセンターにて

スタッフが本を読んでくれるReading Timeはエリックのお気に入り。読んでくれるスタッフはときどき子どもたちに質問をする。こんなふうに・・・。
「What is this? You must know this…」
「What colour is this? 」
で、子どもたちは答えるわけだけれど、今までに何度かエリックは「いちご!」とか「にじ」とか「きいろ」などと答えたことがある。しかし、日本語が通じるはずもなく・・・。周りの声にかきけされたエリックの声に、「そうね、いちごだよね」と私一人はもちろん対応してあげるし、エリックも英語の方もわかっているだろうとは思っている。なので、日本語を教える意欲がくじけるわけではないし、これも一時的なことだと知ってもいるけれど、親としてはいささかかわいそうに感じてしまうわ・・・。