Wednesday, July 21, 2010

「死んだ」という概念

数日前、散歩によく行くセント・マイケルズ・カレッジ付近でりすが一匹、死んでいた。まわりに流血はなく、まだ死後あまり経っていないようだったが、確かに死んでいて、すでに蝿がまわりを飛んでいた。私がじいっと見ていると、Eも後ろからやってきて、座って見ていた。
「マミイ、このりすちゃん、むぶかない(うごかない、の間違い)ね。どうしたんだろうね」
というので、
「このりすは死んでるのよ」
と答えた。
「死んでるって、なんのこと?」
「死ぬってのは、命が終わるってこと。もう大きくもならないし、もう動かないし、走ったり、ピーナッツを拾ったりしないってことよ」
それ以上は何も聞かなかったけれど、Eは死んでるりすをしばらく眺めていた。

昨日、散歩に行ったとき、エリックはすぐさま死んだりすがいたところへ駆けていき、まだそのりすが芝生の上に転がっているのを見ると、
「マミイ、りすちゃん、まだ動かないね。たぶん、まだ死んでるんじゃない?」
と言った。「まだ死んでる」ってのはおかしな表現だと思ったけど、何も言わなかった。

今日、また散歩に行って、死んだりすのいたところへ駆けていくと、もうりすの姿はなかった。Eはふとうれしそうにして、
「マミイ、りすちゃん、もういなくなったね。たぶん、また新しくなったんだと思うよ」
と言った。
「たぶん、また新しい芽が出て、大きくなるんじゃない?」
Eは今、何なのかしらないけれど、どこかから飛んできて勝手に発芽した芽をバルコニーで育てている。小さな葉っぱがなくなったり、出てきたりするのを見ながらいろんなことを考えているのかもしれない。

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