My Bilingual Child-- バイリンガルはどう作られるのか。カナダのトロントで英語話者の夫、日本語話者の私とともに育つエリックを観察しながら、バイリンガル育児の実情、さらには日本の英語教育についても考えてみよう・・・。
Tuesday, October 4, 2011
Show & Tellとパブリック・スピーチ
毎週月曜日は、エリックがShow & Tellをする日になっている。今まで、噂には聞いていたし、デイケアでも少しやっていたようなことも聞いていたけれど、ついにこのShow & Tellで「カナダ式教育」と対面した、という感じだろうか…。
念のため、Show & Tellはグループの前に出て、持ってきたアイテムをみんなに見せながら、それにちなんだ話をする、というもの。北米人は「パブリック・スピーチ(みんなの前に出て話をすること)」を非常に重要なスキルのひとつだと思っている。そして、すでに4歳のときからShow & Tellを通してこのスキルを練習することになるわけ・・・。
エリックはシャイなくせに、このShow & Tellが好きらしい。エリックが「次は何を持っていこう」とあれこれ探しているのを見ると可笑しい。
練習には夫が付き合っている。4つほどの文章なので簡単だと思われるが、夫によれば、まず第一段階目はみんなの前に立って話すのに慣れること、が目標らしい。それから、だんだんと読むスピードやアイ・コンタクトなど、もっと上級スキルを学んでいく様子。
私が言うのもおかしいのだけれど、夫はパブリック・スピーキングが極めて上手である。これは、講義やチュートリアル、ディスカッションなどをする際にとても役立っている様子。一方、私は書くのは得意だが、従来、話すのは苦手。ただ、カレッジ時代にSpeaking with Confidence(自信をもって話す)コースを受けて、話し方のコツはわかったし、これは明らかに習得可能なスキルなのだと気付いた。
パブリック・スピーチというスキルの大切さは、私もトロントに住むようになってから日に日に実感している。何よりもそれを感じるのは、政治家による討論だろう。オバマの大統領就任演説を聴いた多くの人が感動したと思うが、政治家の資質としてパブリック・スピーチのスキルは最も大切なものに違いない。非論理的なことを何よりも嫌悪する私にしてみれば、日本のテレビでプロも素人もやってる「討論」なんて討論ではなく、幼稚、稚拙な話の域を出ない。
日本の学校教育でも、小さいときからパブリック・スピーチを含めたコミュニケーション能力を真剣に育成していく必要がある。・・・というのは、もう何十年の前から教育現場では言われていた。しかし、それを指導できる人がいないのが本当は問題なんだろうけれど・・・。
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私も「カナダ式教育」に興味津々です。
ReplyDeleteというのも,あまり長くはないけれど,日本の小学校に勤めていたことがあるから^^♪
確かに日本の子どもたちが『パブリック・スピーチ』が苦手なのは,指導方法に一因がありそうです。
人前で話すことや調べたことを発表するという技能は『表現力』といって全教科で指導するようになってはいるものの,指導方法が確立しているわけではなく,漠然とした感じでした。
研究発表など見に行くと,素晴らしい授業を見ることができますが,具田的にどう指導してきたかは分かりにくいですし。
(だいたい小学校の先生は全教科指導なので,どの教科も広く浅く…でないとやってられないような…)
また,話し手の能力もさることながら,聞き手の反応如何というところもありそうです。
日本の学校ではなぜか,高学年になるにつれて聞き手の反応が薄くなる(無表情・無反応)傾向があり。。。聞き手が反応してくれないと話し手は辛いですよね・・・。
これは,カナダに来てOut of School Program(放課後に子どもを預かる施設)での子どもたちに接し,改めて感じたことです。
いずれにしても教師の手腕にかかっていますねぇ。。。
※あくまでも日本の一地方の一新米教師の感想です。
そう、教師の指導に加えて、日本の教育ではパブリック・スピーチの重要度はかなり低いですよね。人前で話をする仕事のお手本といえば政治家ですけれど、政治家があれでは・・・。とにかく、日本社会全体でパブリック・スピーキングが重要視されていないのではないでしょうか。言語を教える場合は、それが「コミュニケーション」の手段(話す、書く、理解して聞く)であるという認識がなくては本質には達しないのだと思います。
ReplyDelete経験に基づいた貴重なコメント、ありがとうございます!