オンタリオ州では、幼稚園に行くことは義務ではない。なので、幼稚園に通うかどうかは親が決めればよいことで、私もエリックが3歳ごろには、エリックも私とふたりで自然のなかを歩き回ったりしているのが好きだし、新しい環境に入れてはまた泣くことになるかも・・・と思って、「行かなくてもいいか・・・」とも思っていた。しかし、最近は行かせてよかった! と感じている。その理由をいくつか挙げてみたい。
・お友達と過ごす時間が楽しくなってきた
どうも最近、そうらしいのだ。デイケアでの様子を見ていてもそうだし、あんなにシャイなエリックも、最近は「もっとお友達と遊びたい」と言うことも増えたし、お友達と遊んでいるときの表情が本当に楽しそうなのだ。とても仲のよい友達も数人できた。そうした関係のなかから、こちらでよく言われる「ソーシャル・スキル」を学んでいる。私のような社交的でない母親には、キンダーガーデンやデイケアはとっても重宝する。
・自意識がはぐくまれる
デイケアのスタッフが言っているように、このくらいの年齢の子は、お互いを「コピー」しあっている。一人の子がすることを真似たり、同じような表現を使ったり・・・、と、よくも悪くもお互いの行動に影響を与え合っている。なので、まわりの大人はよい行動を助長し、悪い行動が蔓延しないようにマネージする必要がでてくる。その結果、こうした経験を通して、まわりの子どもたちの行動を見て、その行動が社会的に許容されるのかどうかを自分で判断する練習になる。また、幼稚園に行きはじめると、子どもたちは自分が「大きくなった」と感じるようで、それと同時に少し年上の子どもたちを意識して、彼らをモデルにし始める。なので、キンダーガーデンでやっている「バディ制度」が非常に有効なのは確実。そんななかから、自意識が芽生え始め、試行錯誤しながらそれがはぐくまれていくのだろうという気がしている。
・いろんなことを学んでいる
つい最近、お隣に住む4歳イマニのマミー、バーバラと会ったとき、彼女はこう言っていた。
「エリックの幼稚園では宿題をもらってくる? え、ないの? イマニの幼稚園では週に何度か宿題が出されるのよ。宿題といっても、点線の上をなぞったり、数字を書いたりするだけだけれど、イマニは楽しそうにやってるわよ。すごいわよね、幼稚園ではJKでもうアルファベットや数字の書き方、読み方を教えていて、SK(年長)になるとみんな書いたり読んだりするんだものね」
イマニの幼稚園はカソリックの教育委員会(オンタリオ州には、非宗教のものとカソリックの教育委員会があって、高校以前にカソリック系に入るには片方の親がカソリックであることが条件)が運営している。エリックが行っている幼稚園ではそんな高度なことは教えていないし、宿題もないのだけれど、「宿題について」とか「算数を教えるには」のようなプリントをよくもらってきている。夫はIt’s a bit too much, he’s just a kindergartener!と言っているけれど、幼稚園とはいえ、教師はオンタリオ州の教育カリキュラムに沿って、ちゃんと「めあて」や「目標」を設定しながらプログラムや遊び方を組んでいることが、私にもよくわかる。
オンタリオ州は北欧モデルにならって、幼児教育を充実させようという方向に向かっている。2013年までにはすべての幼稚園でAll Day Kindergartenが始まる(現在、段階的に導入している)。そうなってくると、すでに4歳から国家による一斉教育が始まるわけで、この考えに対するオルタナティブが出てくるのも当然と思われる。
大学時代、少しだけシュタイナーをかじったこともあるし、ウォルドルフのやり方に興味を感じていた。けれども、現実には私はそこまで子育てにコミットメントできないことに気付いたし、エリックと私というペアリングに最も最適なやり方は私がいちばんよく知っている、という自信も湧いてきた。
何にせよ、エリックは元気に楽しく日々過ごしている。その姿を見ることが何よりも私にとっては励みになっている。
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