さて、このCentreで気付いた点を記しておこう。
・バイリンガルの子どもたち
スタッフのドナはストーリータイム(本を読んでくれる)のときに、エリックとサニーを紹介した。紹介するときに、Eric speaks Japanese and English. Sunny speaks Chinese, and needs to improve his English.と言ったのにはちょっぴり驚いた。それから、その日、Centreを巣立っていく子どもたちもいたらしく、その子たちのこともNicole speaks French and Spanish. Ali was fluent in Hindi and Englishと言っていて、このCentreで学ぶ子どもたちの大半がバイリンガル環境で育てられていることが判明。エリックの会話が今のところほとんどが日本語なのがちょっと気になっていた私も、こうした環境ならスタッフ側の意識も高いだろうし、他の子どもたちにもスムースに慣れていくかもね、と思って安心した。
・Politically correctness
もうひとつ気付いたことは、スタッフが「政治的に正しい言葉の使い方」を実践していること。本を読んだ後、ドナは子どもたちにこう質問した。
「このお話のなかで、チェスターが新しく友達になったラクーンの名前は何だった?」
何度かやり取りがあった後、なかなか当てられないので、ドナは、
I will give you a hint. It was a girl’s name…
とそれが女の子の名前だったことを教えてくれた。そして、やっとこさ、ある子どもがCathyという名前を出してきて正解だったのだけれど、そのとき、ドナはふと、
Well, I might have been wrong. Cathy might be a boy's name. We cannot tell by the name who she or he is…
と説明していた。
スタッフのドナはストーリータイム(本を読んでくれる)のときに、エリックとサニーを紹介した。紹介するときに、Eric speaks Japanese and English. Sunny speaks Chinese, and needs to improve his English.と言ったのにはちょっぴり驚いた。それから、その日、Centreを巣立っていく子どもたちもいたらしく、その子たちのこともNicole speaks French and Spanish. Ali was fluent in Hindi and Englishと言っていて、このCentreで学ぶ子どもたちの大半がバイリンガル環境で育てられていることが判明。エリックの会話が今のところほとんどが日本語なのがちょっと気になっていた私も、こうした環境ならスタッフ側の意識も高いだろうし、他の子どもたちにもスムースに慣れていくかもね、と思って安心した。
・Politically correctness
もうひとつ気付いたことは、スタッフが「政治的に正しい言葉の使い方」を実践していること。本を読んだ後、ドナは子どもたちにこう質問した。
「このお話のなかで、チェスターが新しく友達になったラクーンの名前は何だった?」
何度かやり取りがあった後、なかなか当てられないので、ドナは、
I will give you a hint. It was a girl’s name…
とそれが女の子の名前だったことを教えてくれた。そして、やっとこさ、ある子どもがCathyという名前を出してきて正解だったのだけれど、そのとき、ドナはふと、
Well, I might have been wrong. Cathy might be a boy's name. We cannot tell by the name who she or he is…
と説明していた。
「これってやっぱりOISEだわ!」と思ってしまった。トロント大学のなかでもOISE(Ontario Institute for Studies in Education)は教育者養成機関とだけあってマイノリティに配慮した環境がしっかりと確立している。ここで教えたり、学んだりする人たちは、Sexual minority, racial minority, politically oppressed peopleといった人たちに配慮し、women’s right movement, feminismなどの意識も非常に高く、OISEで授業を取っていたことのある夫は、「ここでは、他の場所以上に言葉を慎重に選んで話さなくてはならない」と言っていた。
さて、話がそれたが、Cathyが女性名であるとは限らない、というドナのメッセージは、子どもたちにどのように伝わったのだろう。
・車椅子のお友だち
エリックにはこのCentreの他にもうひとつオプションがあったが、私と夫がここに決めた理由は、ここには車椅子の子どもがいて、スタッフのひとりが「他の子どもたちも彼を自然に受け入れて、あれこれ世話を焼いてくれる子どもたちもいる」と言ったことがきっかけになっている。私がいた日も、ケアワーカーがちょっと離れていた隙に、車椅子の子どもの頭がズズズッと下にずれてきたのを見た子どもたちが、自らかけよってまっすぐに頭を起こしてあげていた。共生しなければわからない、他者に対するケアが子どもたちによってなされているのを見るのは感動的ですらあった。
バイリンガルの子どもたちが多いのは、何もOISEのELCに限ったことではない。移民都市トロントでは、きっとどこのデイケアに行ってもそれが当たり前。日本とは何という違い! こうした場所で学べるエリックは何と幸せなのだろう、と思った1日であった。
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