エリックのヒーローといえばプーシキン。
「えりちゃんのおともだちはだれ?」
と聞くと答えは
「プーチ(プーシキンのこと)!」
プーシキンとは、夫の両親のところで飼っている猫(近所では「ターミネーター」との異名を取る凶暴な野生動物ハンター)。食後に口を拭かれるのを嫌がるときには「そんな汚れた顔ではプーシキンがびっくりするわよ」、「プーシキンはシャンプーが大好きなのよ。毎日、シャンプーしてきれいになってるわよ」(嘘、嘘、真っ赤な嘘! あのワイルドな猫はお風呂だってしたことないの!)で、数日後には自らシャンプーをして欲しがり、かくてシャンプー嫌いも解消…。
そんなエリックに、あるとき、プーシキンに関するお話をしてあげた。あるクリスマスの日、明け方に私の眠っているベッドへやってきたプーシキン。濡れた鼻を私のほっぺに押し付けてゴロゴロした後、突然ブブーッと強力なおならをして部屋を出て行ったのだ。私はそれを簡単なストーリーとしてエリックに話してあげた。それを聞いているエリックは、明らかに表情を明るくさせ、目をきらきらさせて一生懸命に理解しようとしている様子だった。語り終えると、「もういっかい!」とせがむので、もう一度同じ話をしてあげた。
数日後、ストレッチしている私のそばに来て、「マミー ねんねしてた プーチ(プーシキン) ベッドに来て チュッ。プルプルプル(おなら)して 出てった」と言ったのだ。よく覚えていたね、と喜んであげると、うれしそうにして、今度は帰ってきた夫に同じように話してあげていた。それからも何度も同じ話をするようにとせがまれた。
さらに、エリックが「No, no, no」と言うのに手を焼いた私が、適当に「No No bunny」というお話を作って(勧善懲悪)「それで、バニーのお友達がたくさん増えて、みんなで仲良く遊んだのですって!」と話すと、「もういっかい!」とせがまれて、その後も何度かせがまれて、数日後には、あら不思議、あんなに「No, No」だったエリックが、あまりNoを言わなくなったのだ。
この傾向は明らかにここ数週間ほど前に始まった。それで、思ったのだが、この年齢になるときっとストーリーが心に響いてくるのだろう。雲の向こうにバニー(エリックの好きな動物)の国があって、そこでは・・・といった、私のでたらめの話を何度も何度も聞きたがる。そして、自分で一生懸命、それを繰り返す。本を読むのもいいけれど、こうしてしっかり目を見て簡単なストーリーを話してあげることも言語の発達上、非常に大切なんだと、これは本当に本能的にではあるけれど、思ったわけです・・・。
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