夫の研究のため、2月から日本(現在は広島の実家)に帰国している私たち。エリックの日本語のためにもいいだろうと最終決定をしたわけだが、日本に来て2週間、エリックは今のところ、まだ少し戸惑っているのかもしれない。I’m losing English!と言ったり、I don't want to speak Japanese because I’m Canadian!と言ったり、こうしたことばの裏側には、突然、英語環境から日本語環境にかわり、子どもながらに戸惑っている様子が見られる。
とにかく夫から離れない。英語でコミュニケーションできるのが唯一夫であるからだと思うが、最初のころは、たとえばじいじと一緒に散歩に行くのを渋っていたのも「人見知り」というよりはことばが伝わらない不安なのではないか、という気がしていた(私も身に覚えがあるもの)。
しかし、私に対してはまだ日本語がでにくいが、周りの人たちに対しては少しだけだが日本語で会話しようとしている。
こうなって、しばしば考えるのは「やはり最初から私に対しては絶対的に日本語でしか受け付けない、という方法で育てればよかったのだろうか」ということ。バイリンガルで育つ子どもは環境というよりも人によって言語を変える方が楽なのだ。たとえば、「夫=英語、私=日本語」をしっかりと身につけさせておくやり方は子どもにとってより自然なのだ(もし、やり直しがきくならば、この点はぜひ変えたいと思う)。しかし、もう遅い。私は自分では一貫して日本語を話してきたが、エリックに英語で話すことをこれまで許してきたから、今、ここでこれを変えることは到底できない。ま、失敗から学べることは多くあるのだし、私は私のやり方でやるしかない。
ところで、大好きなお友達ともわかれ、日常のスケジュールやじいじとばあばの家でのルールは大きく変わり、私ですら12年ぶりの日本(というか実家)はかなり辛い。とはいえ、概してエリックは私よりも上手に文化適応している様子。寒い家のなか、熱いお風呂にも慣れた。ばあばのこてこての日本料理にも少しずつ慣れている。
はじめて家の中にテレビがあるので釘付けになっている時期もあったが、もうそれほどでもない。むしろ、テレビにはあまり興味ないみたい。また、日本のキャラクター商品には驚いたみたいで、いろんなところでもらう「アンパンマン」グッズはどうもキライらしい。
さて、これから日本での1年間、エリックには日本語をできる限り吸収してほしい、というのが私たちの願い。夫とエリックのあいだの会話は、今まで通り英語。そうそう、日本の幼稚園・保育園を見ると、トロントより「お遊び」モードが強いみたいなので、家ではトロントの幼稚園で慣れはじめていたliteracyも継続して教えよう。
今後、どんなふうにエリックが日本語を身に付けていくのか興味津々。
No comments:
Post a Comment