Monday, September 26, 2011

読み書きについて

JK(幼稚園年少組)に入ったエリックを送って行ったとき、教室に入った子どもたちが大きなノートブックに自分の名前を書いているのを見て不思議に思った。すぐに分かったことだが、これは子どもたちのSign inのノートで、子供たちは、教室に来たときに自分の名前を書くことになっている。他の子どもたちが上手に自分の名前を書いているのを見て、私は一瞬パニックに陥ってしまった! エリックは何とか自分の名前は書けるものの、文字の大きさ(ものすごく大きい)や、スペーシング、Cが反対になったりすることもある…という点ではかなり心配が残るのだもの。

その後、なかには自分の名前を書けない子もわずかながらいることが分かったが(そのときは先生が点線で名前を書いてあげ、そのうえをなぞるようにしている)、このことから私のなかではJKに入る時点で自分の名前が書けることが期待されているのかもしれない、と思って、今までエリックに文字の読み書きを教えていなかった私は焦ってしまった(夫は遊ばせながら教えていたようだが)。さらには、最近、文字が2歳で読めるようになったという知人のお子さんの話も聞いた。


そして、それから数日後のある日、エリックに文字の書き方を教えようと思って、エリックを椅子に座らせた。ABCの歌は歌えるので、それをまず歌って、「今日はPまで」と思って私が最初に書いてみて、「はい、同じように書いてみて」と言って書かせると、まあまあ上手に書いた。でも、そのあと、「今度は自分で書いてみて」と言って書かせると、すでにDでつまづいている! 「D…」といって考えているけれど、思い浮かばないらしい。私が書いたものを見せて、自分でDを拾ってくるように言って、書かせる。それを繰り返してみると、DとJが書けない。ほかにもあやふやなものもいくつかあるし、KはKに見えない。それに、とにかく時間がかかる。それを何度か繰り返していくうちに、早くなるだろうという私の期待は見事はずれ、私もいらいらっとしてきて最後には「ちょっと、さっきそれ書いたばかりじゃない!」と怒ってしまった。そうすると、エリックはそれまでは何だかんだと楽しそうにやっていたのに、「Don’t say that!」と言って気まずい雰囲気に…。


私、このときのことは今も大いに反省している。

その後、「さ、ちょっとABCやってみようか」と言うと、No!と言われ、It is too difficult for Ericと言われ、拒否された。やっぱりあの経験がいやな記憶として残っているらしい。


私には「アルファベット26文字くらいがなぜすぐに覚えられないのか」が分からない(日本語なんて50音よ!)。「なぜ、文字の大きさがまちまちなのか」が分からない。そう考えると、いらいらしてくる。でも、夫とこのことについて話したのだが、彼にいわせるとHe’s just four!ということで、1ストロークも大変な努力を要するという。幼少の子どもにものを教えるのと高校生にものを教えるのとでは、やり方を変えなくてはならない、とも言われた。たしかにそうなのだと思う。But how?


後日、エリックの幼稚園の先生Ms. Tuffと話をしたときにこのことを言うと、彼女は「授業のような形で読み書きを教えるのは個人的には推奨しない」と言って、「エリックの性格をみると、あまりプッシュしないほうがいい」と続けた。そして、この時期は遊びながらのほうが学ぶ意味は深いと言って、遊びの要素を加えながら文字を教えるなら教えてゆくほうがいい、とアドバイスをしてくれた。


そして、その日にあったことや拾ってきた木の葉などでつくるジャーナルを一緒につくることを勧めてくれた。それはとてもよいアイデアだと思うので、やってみようと思う。


アルファベットを教えたい、という気持ちの底には、それを待って、次に日本語の読み書きを教えたい、という気持ちがある。英語と日本語の読み書きを同時に教えるより、英語のあとで日本語を教えようという計画があるからだ。


ひとつ、あのときの失敗から、私はエリックが思った以上に長い時間、ひとつのことに集中して何かをすることができるのだということにも気付いた。ということから、授業スタイルでなくて、遊びのなかから文字の読み書きを教えてゆこうと思っている。

Thursday, September 15, 2011

虫が好き

ここ最近、エリックは虫(bugs)に夢中だ。いちばんのお気に入りはだんご虫(pill bug…夫はpotato bugだと言っているが、本当の名前はこれなのでは? 身体がくるっと丸くなるやつ)、蜂(bee)、テントウ虫(ladybug)、バッタ(grasshopper)、セミ(cicada)、カマキリ(praying mantis)、カナブン(scarab beetle)、ミミズ(warm)。こうしたバグを見つけると”Hi!”と言って、平気で触る。そして、手に乗せてじいっと観察したり、話しかけたりする。

 
虫はちょっと…という私も、夫に言われ(Don’t encourage him to hate small insects!)、無理しながら虫取りに付き合っている。でも、時に私が触るのを躊躇するのを見ると、すぐさまそれを感じとって、Mommy, don’t worry, they don’t bite, they are your friends!(大丈夫だよ。噛んだりしないよ。お友達だよ)と言われる。

 話は少しずれるが、不思議なのは動物や虫がエリックに近寄ってくること。この前、歩いているとハトがエリックの肩に乗ったし、リスやハトはエリックの手からピーナッツを取ってゆくし、テントウムシがエリックの服についていることがたまにある。エリックが手を延ばしたら、虫が手のひらに乗ってきたりもする。犬の飼い主と話してわかったことだが(犬に噛まれた経験がある私は犬が苦手)、犬は子どもがとっても好きらしい。なので、犬が子どもに近寄ってくるのは納得できるのだが、虫もなんだろうか? 私の気のせいかもしれないけれど…。

 さて、私は知らなかったのだが、日本語でいう「ハチ」にもいろいろな種類があって、それによってbee、wasp、hornetと名前が違うというのは、エリックに教えてもらった。エリック曰く「Beeはちょっと太いやつで、hornetは細いやつで、黄色いやつ。waspはね、大きいので、刺すからね」。


いや、実は私が何よりもキライなのはチョウチョ(butterfly)と蛾(moth)なのである。とくに粉を落すやつはどうしてもダメ。ナイアガラにButterfly museumという、本物の蛾や蝶が飛んでいるところを歩くという恐ろしい温室があったが、エリックと夫は喜んで入り、私はひとり外で待っていたわよ…。幸い、街中で蛾を見る機会は少ないけれど、あれだけは勘弁してほしい…。

Tuesday, September 13, 2011

JK(幼稚園)初日

エリックを新しい環境に入れるのは私にとっては心配でならない。とにかく、シャイなエリックのこと、新しいJKでうまくやっていけるか、心配だったし、ひょっとすると「初日、泣くのでは」と懸念していた。

しかし、エリックはI’m a big boyとか何とか言いながら、ニコニコ顔で幼稚園まで歩いたし、「じゃあね、マミイは行くからね」と言いながら、泣きそうなのは私の方だったのよね、ほんとうは…。
エリックの幼稚園Huron Public Schoolには、幼稚園から小学校までの子どもたちが通っている。JK(Junior Kindergarden、年少組)といっても、実際は教室のなかにSK(Senior Kindergarden、年長組)も一緒にいて、バディ制度もあり、「お互いに学びあえるところを学びあっている」とMs. Tuff(担任の先生)は説明してくれた。

初日、教室に入って、始業のベルが鳴るまでいっしょに本を読んであげた。多くの子どもはMs. Tuffのまわりで本を読んでもらっていた。そのあと、国歌O Canadaが流れるとみんな起立して聞いていた(これにはビックリした。幼稚園で国歌を流すなんて! でも、幼稚園児および小学生が喜ぶようなレゲエアやラテンビート、ジャズなど、毎日違ったバージョンで流すらしい…)。

エリックは私が
「さ、MS. Tuffのところに行って本を読んでもらってね。マミイは帰るわね」
と言うと、I love you, Mommyと私をハグして、さっと私から離れて行った。ちょっと観察してみようと思って本棚の向こうから見ていると、エリックはいちばん後ろにちょこんと座って、本をじいっと見ていた。

それから9時10分になり、正式に1日が始まった。Ms. Tuffが椅子に座って、子どもたちはカーペットの上に座っていた。Ms. Tuffは「今日はみんなの好きな動物が何か教えてちょうだい」と言って、ひとりひとり名前を呼んで、答えさせていた。その答えを聞くだけではなく、たとえば、「きりん」という答えを聞いたときは「Giraffe(きりん)は何の文字で始まりますか?」と聞いて、「Jと間違えるかもしれないけれど、これはGなんですよ」と、きちんとTeaching pointを含めながら教えていた。ふーん、このあたりがデイケアとは大きな違いだわね…。

迎えに行くと、まだ子どもたちは教室のなかにいて、少し開いたドアから、エリックが私を見つけてデイケアでするようにニコニコ顔で走り寄ってきた。すぐにMs. Tuffに「エリック、もうちょっと待ってね!」と言われ、またみんなの列のなかに戻るエリック。どうやら、先生はひとりずつ迎えに来た親(あるいはケアギバー)を確認しながら子どもを戻すらしい。安全には非常に気を配っているってことね…。

「幼稚園、どうだった?」と言うと、「うん、楽しかったよ」と言って、それから学校で何をしたかを教えてくれた。ジムに行って体育の先生といっしょに走ったり、本を読んだり、Ms.Tuffのお話を聞いたり、お友達といっしょにミニカーで遊んだらしい(”I don’t know his name, but he’s OK”)。「泣いた?」と聞くと、「泣いてないよ。I was not shy at all, Mommy. I am a big boy」と胸を張って言う。I like Ms. Tuff. She’s very niceと先生も気に入ったようで何より。あとはお友達ができてくれるといいんだけれど…。
思えば、1年前にデイケアが始まったときにはエリックも私も何度か泣いた。私と離れるのがいやで泣いているエリックを見て、こちらも涙が出てきた。それと比べれば、何というスムースなTransitionであろう! あまりにスムースなので「ひょっとして、私のことを思って無理しているのでは?」と懸念したりして…。

この幼稚園、私が受け取った印象も、きちんとLearning goalを持ってカリキュラムを組んでいるようだし、ここではSocial skillはもとより、ぜひ英語の読み・書きをしっかり習ってほしいと思う。英語の読み・書きが一応できたら、すぐにでも日本語の読み・書きを教えようっと…。

Monday, September 12, 2011

子どもにとって有害なテレビ番組

Guardian紙で見つけた、テレビ番組と子どもの行動発達の関係に関する記事は、以下のリンクで読めます。
http://torontostew.blogspot.com/2011/09/blog-post_12.html

最近の様子(4歳3ヶ月)

9月からJKに通い始めたエリック。9時開始に間に合うよう、早起きするのが大変な毎日。日本語でお友達と遊ぶときは一生懸命日本語を話そうとがんばっている。死んでいる蜂をみつけて、「はちのお墓を作るよ」というところを「”はちみつ”のお墓を作るよ」と言ったり、「排気ギャス(gasの部分だけ英語発音になっている)」と言って笑われたり…、とんちんかんなこともあるけれど、がんばって日本語続けてね…。
・主要言語は引き続き英語
・私とエリックの会話は私(日本語)エリック(英語+少しの日本語)で、私の言う日本語はほとんどすべて理解している(私と話すときは英語80%、日本語20%くらい)
・私との会話で、短い文章は日本語を使う。反対に、長い文章や、複雑な文章になると英語になる
・日本語のお友達と遊ぶときには、日本語を話そうとがんばる
・「ら行」の発音が日本語ネイティブらしくない
・コードミクシングが頻繁に見られる。英語で言ったことを日本語で言い直すケース、英語の文章のなかに日本語の単語を使うケースが多い(「そうだよ、I told you so.」、「You can do it あとでね」)
・英語は過去形、単数・複数形、代名詞、所有名詞などをおよそ正しく使っている。引き続き、比較級の使い方、If構文の時制に間違いが見られる。Mommy is more big than meとかThis one is more good than yoursとか。夫がその度にそっと訂正
・分からない言葉が出てくると「Maneuverってなに?」とすかさず聞く
・よくしゃべる。ひとりで遊びながら、自分のやっていることをナレーションしたり、ぬいぐるみに話しかけていることもある(英語がほとんど)
・本をひとりでじいっと見ている時間が増えた。新聞を読むフリをする(私の真似?)
・CやLが反対になっている(書くとき)
・「さしすせそ」がきれいに言えるようになった
・数字を読む。6と9をまだまちがえている
・1から12まで数える(英語、日本語)けれど、その後はあやふや
・落ちているコインを探すのが好き。1日に1枚はどこかで見つけてくる
・いまだに絵らしい絵を描かない、というか形のないものばかり書いているが、きれいな配色で色を塗る
・歩くのが好き。4キロのハイキングもへっちゃら
・水泳レッスン再開。新しくジム(体操?)も始める
・トマト、インド・カリー、ビーツがきらい
・自主的にベジタリアンになっている(「チキンがかわいそうでしょ!」)

Friday, September 9, 2011

英語の発音について(RとLなど)

今年からJK(Junior Kindergarden)に通うエリック。おととい担当の先生との面談があったとき、質問のなかに「家庭では英語で話していますか」というのがあった。「英語と日本語です」と答えると、「バイリンガルですね。最近はバイリンガルの子どもが増えていますが、いいことです!」と言われた。30年ほど前とは何と大きな違いだろう! 
それから、少し言語習得についての質問が続いて、そのなかで「今、RとLの発音を直そうとしています」と言うと、彼女はこう教えてくれた。

「子どもの発音は7歳までには完璧になります。それまでは、RとLの発音をはじめ、いくつかの発音が差別化できないケースはよく見られます。そのうち8歳になってまだ発音が未熟であれば、スピーチ・セラピストにかかることになりますが、今は矯正も心配も必要ないです」

これを聞いて、私はかなり安心した。というのも、どこかにRとLの発音ができないのは私の英語を聞いているせいだ、という思いがあったから。幼稚園の先生から聞いてよかった。
また、最近、気付いたのだが、エリックのanがアメリカン・アクセントである。Antとかpantsが、特にそう聞こえる(何と説明したらいいのかよく分からないが、「パーンツ」ではなくて「ピャーンツ」みたいな感じ?)。アクセントに敏感な夫に、よくからかわれている。からかうと余計にやるのが困るのだけれど…。

Make Believe (ごっこ遊び)

ずいぶん前から、「エリちゃん、~になりたい」というのをよく聞いていた。

「うま(馬)になりたい」とか「りすちゃんになりたい」とか「レモンになりたい」とか。

そして、最近は実に「なったフリ」をして遊ぶ。

「エリック、亀だよ」

と突然宣言して、緑色のクッションカバーを背中に背負って四つんばいで歩いたり、

「Beeです!」

と叫んで、「Bzzzz…」と言いながら飛ぶフリをしたり…。

こちらから見ると、そうは見えないのに、自分は本当になりきっている、と思っているらしい。

Tuesday, September 6, 2011

とんちんかんな会話、読み・書き、およびその他諸々

とんちんかんな会話
この年ごろの男の子らしく、Fire Truck(消防車)が好きなエリックは、昨日、Fire truckやFire menのことを話していた。どうしてFire truckが来るのか、とか、アラームが鳴ったらFire menはどうするか、といったようなことはFire truckの本でよく知っているはずなのに、こう聞くのだ。
「Fire men(消防士)は、何をするの?」
そのあとの会話はこんな風だった。
私:「火事を消すために水をかけたり、中で逃げられない人たちを助け出してあげるんじゃないの?」
E:「Potato bugs(だんご虫)も?」
私: 「は?」
E: 「Potato bugsも助けてあげる?」
私: 「だんご虫? だんご虫は助けないだろうね」
E: 「スパイダー(蜘蛛)は?」
私: 「それも助けないだろうね」
E: 「なんで?」
私: 「だって、虫だもん。Fire menは虫を助けるためじゃなくて、人を助けるために働いているからよ」
E: 「じゃ、なんで猫や犬は助けるの?」
私: 「そうなの?」
E: 「We have the book about fire truck rescuing doggies…」

エリックとの会話はしばしば「とんちんかん」な会話で、私はこういう会話をしながら、時に不安に襲われたることがある。日本語環境で育っていると、こんな会話をしないのではないか?という不安である。夫に言うと、「それは4歳児だから自然だよ」と言っているのだけれど。英語でもこんな「ズレ」のある会話をしているらしい。

読み・書き
今日は9月6日で、子どもたちにとっては新学期。今日のGlobe紙を読んでいて分かったことだが、当地では小学校にあがるまでには文字が読めて、ある程度は書けて、数を数えられるのが普通らしい。つまり、幼稚園(Kindergarden)で、文字の読み・書きの基礎を教えているということだろう。私は小学校にあがってはじめて文字を習ったけれど、それはもう遠い昔のお話。今は、小学校にあがるまでに文字が読めて書けるのがカナダでも日本でも普通らしい。英語に関しては、今週からエリックもJK(Junior Kindergarden幼稚園年少組)が始まるので、そこで習うからいいとして、さて、日本語の方はどうしよう? 私が教えるしかないのだが、いつ始めよう? まずは英語が読めるようになってからの方が楽だろうな、と今のところゆったり思っている。

JKが始まる
エリックも今週から幼稚園、JKが始まる。2ヶ月ほど前には、キンダーガーデンの先生からエリック宛にお手紙が届いて喜んでいた。先生の名前も頭のなかにしっかり入っていて、先日、グラニー(おばあちゃん)に「先生の名前は?」と聞かれてきちんと答えていた。
しかし、このキンダーガーデン、私にとっては頭痛の種。というのも、1日にわずか2時間半を週5日。週2日デイケアに行っているエリックは、デイケアのスタッフに送り迎えをしてもらえる組に入れず(パートタイムなので)、私が送り迎えをしなくてはならない。なので、私もこの生活のリズムに慣れるまでに時間がかかるだろう。

明日は、キンダーガーデンの先生と初めて会うミーティングがあって、エリックもちょっぴり楽しみにしている。JKのLearning goalやScheduleなど、私もいろいろと知りたいことが盛りだくさん。エリックにまた新しいお友達ができるのだ。読み書きもそうだけれど、しっかりSocial skillsを学んで欲しい。私も今から楽しみにしています!